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米国の衛星が捉えた金正恩「深刻な事態」の証拠写真

米海洋大気庁が作成した2019年5月6〜12日の朝鮮半島周辺の干ばつ指数マップ(同庁=VOA)

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米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は18日、米海洋大気庁(NOAA)の分析に基づき、北朝鮮で干ばつが深刻化しているもようだと伝えた。

それによると、NOAAは4月後半から今月12日にかけて撮影された衛星写真を1週間単位で分析し、朝鮮半島とその周辺の「干ばつ指数(Drought index)マップ」を作成した。マップは干ばつの程度に応じて「中間」が黄色、「高い」が赤、「深刻」が濃い赤で示されている。

最新のマップ(5月6〜12日)を見ると、朝鮮半島北部の多くの地域が赤く染まっているのがわかる。またNOAAは、2012年以降の各年のマップも作成しているのだが、例年と比べても、今年の干ばつが相当に深刻であるのが一目瞭然だ。

(参考記事:【画像】北朝鮮で干ばつが深刻…米衛星マップの各時期の比較)

公開処刑を再開

言うまでもなく、干ばつは農業生産に大きな影響を与える。すでに北朝鮮国内からは、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」を彷彿させるような現象が生まれていることが伝えられ始めている。

当局は、国際社会の目を気にしてこのところ控えていた公開処刑を再開した。「苦難の行軍」の時期にも、食い詰めた人々が窃盗などに走るのを抑制しようと、当局は公開処刑を数多く行った。

また、北朝鮮で売買春が拡大したのも当時のことだと言われる。

そして今、制裁の影響で収入を得る道を閉ざされた人々が、性売買ビジネスに身を投じ始めているという。

国連世界食糧計画(WFP)と国連食糧農業機関(FAO)は今月に入り、北朝鮮の食糧事情がここ10年で最悪となりそうだとの報告書を発表した。また北朝鮮外務省も2月、国連に対して食糧援助を要請した。

事実ならば極めて深刻な状況である。こうした動きを受けて、南北融和を進める韓国の文在寅政権は、北朝鮮に対する食糧支援の検討に入った。

だが、この食糧不足説には「疑惑」の指摘もある。

WFPとFAOの報告書が北朝鮮側の一方的な情報提供に基づいて作成されているほか、そもそもこうした分析のすべての基礎となる総人口について、北朝鮮が大幅な「水増し」をしているのではないか、との主張がかねてからあるのだ。

しかし前述したとおり、北朝鮮社会は経済制裁の影響で相当に弱ってきている可能性がある。また、NOAAが確認したように、北朝鮮が深刻な干ばつに襲われているのは事実だ。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信も15日、全国でひどい干ばつが続いているとして、「今年の1月から5月上旬までの全国平均降水量は54.4ミリで平年(128.6ミリ)の42.3%であり、これは同じ期間の降水量としては1982年(51.2ミリ)以後、最も少なかった」と発表。干ばつは少なくとも今月末まで続くと見られると伝えている。

そうなると、今年の秋の収穫はかなりのダメージを受ける可能性が高い。

金正恩党委員長は今月に入って2度も短距離弾道ミサイルの発射を行い、国際社会に対して強気な姿勢を見せた。だが、いま見え始めている様々な現象が交差し、ひとつの大きな「危機」として出現しても、同じような態度を取り続けることができるのだろうか。

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