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ちょっとした一手間によって「製品に高い価値がある」とユーザーに感じさせる「IKEA効果」とは?



by Alexander Isreb

IKEAの家具は部品がバラバラになった状態で販売されているため、自宅で部品を自分で組み立てる必要があります。人によっては手間だと感じるこの作業が、逆にユーザーに高い価値を感じさせてくれるという現象は「IKEA効果」とも呼ばれており、海外メディアのThe ConversationがIKEA効果について解説しています。

Microsoft Word - 11-091 norton mochon ariely.doc - 11-091.pdf

(PDFファイル)https://www.hbs.edu/faculty/Publication%20Files/11-091.pdf

The IKEA effect: how we value the fruits of our labour over instant gratification

https://theconversation.com/the-ikea-effect-how-we-value-the-fruits-of-our-labour-over-instant-gratification-113647

2011年にハーバード・ビジネス・スクールやデューク大学の研究者らは、「ちょっとした労働を行わせることで、ユーザーに満足感を与え製品により高い価値を感じさせることができる」という現象についての論文を発表しました。IKEAの家具が組み立てを必要とすることから、論文中でこの効果を「IKEA効果」と名付けています。

研究チームは1950年代、「アメリカの食品会社であるGeneral Millsがホットケーキミックスの売り上げを伸ばすため、従来の水と混ぜて焼くだけのレシピに『新鮮な卵を混ぜる』というプロセスを追加した」という逸話について触れ、ちょっとした労働がユーザーの満足感を高めるのかという点について確かめる実験を行いました。

実験の参加者らは、IKEA製品の箱、折り紙のツルまたはカエル、レゴブロックといった組み立て作業を行いました。次に自分が作った製品やほかの参加者が作った製品の入札を行い、自分が作った製品とほかの人々が作った製品との間に、どれほどの「価値の差」が生まれるのかを研究チームは測定したとのこと。



by rawpixel.com

以下のグラフは、折り紙で作ったツルまたはカエルの入札結果です。参加者らは自分が作った折り紙には20セント(約20円)以上の価格を付けている一方、ほかの参加者が作った折り紙には5セント(約5円)ほどの価格しか付けていないことがわかります。また、折り紙の専門家が折った折り紙についても入札を行ったところ、参加者は自分が折った折り紙と同等程度の価格を付けたとのこと。つまり、参加者らは自分が折った折り紙を、専門家が折った折り紙と同じくらい価値があると考えていたことが判明しました。



労働が製品に価値を感じさせるという結果が明らかになった一方で、この効果には限界があることも示されています。以下のグラフは参加者がIKEAの箱を作成し、その箱にどれほどの価値を感じたのかを表したものであり、縦軸が箱に付けた価格(ドル)、横軸は「自分がどれほどDIYしたのかという感覚」です。実線は箱を完成させた参加者のもので、破線は箱を完成できなかった参加者のものです。箱の組み立てを完了できた参加者に比べ、箱を作れなかった参加者の感じる価値が低下していることがわかります。「組み立てに長い時間が費やされたり完了できなかったりすると、製品に感じる価値が低下する」と研究者は述べました。



IKEA効果はいくつかの心理学的な効果と関連していると考えられています。その一つが「商品を所有している」という感覚が価値を高める保有効果であり、人々は誰かから商品を入手するよりも、自分が持っている商品を失わないようにすることにお金を使いたがることが知られています。もう一つが努力正当化の考えであり、目標を達成するために犠牲を払った人々は、達成した目標に高い価値を持つという心理学的効果のこと。たとえばある社会的グループに属するために恥ずかしい通過儀礼を受けさせられた人々は、何の通過儀礼もなくグループに加入した人々よりも、そのグループに対して強い思い入れを持つことが判明しています。

こうした心理学的効果と製品のブランドなどを組み合わせることにより、ユーザーの感じる価値をより高めることができます。IKEA効果について行われた実験でも、ユーザーは作った製品に何一つ独創性やカスタマイズを行っていませんが、自分が作るために労働力を支払ったという点だけで高い価値を感じることが明らかになりました。

IKEA効果が有効なのは家具の組み立てなどだけにとどまらず、「料理に必要な食料品を詰めた配送パック」などでもIKEA効果が発揮されているとのこと。食品パックでは出前サービスなどとは違い、ユーザーが食料を使って調理する必要があります。これはユーザーにとって手間となりますが、「自分が調理した」ということがユーザーの感じる商品価値を高める結果になるとThe Conversationは述べています。

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