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菊池雄星、イチローから贈られた言葉とギフト

 短くも、濃密な時間を過ごしてきたのだろう。米大リーグ・マリナーズのイチロー外野手(45)の引退試合となった、21日に東京ドームで開催されたアスレチックス戦。この試合でメジャーデビューを果たした菊池雄星投手(27)に、その時間の価値が表れた。

 試合後の会見。イチローについて問われた菊池は宙を見つめ、深呼吸をしながら言葉を探る。目に涙を浮かべ、何度もマイクを口元に運ぶが約1分間の沈黙が続いた。「幸せな時間でした。キャンプからこの日まで。僕にとってイチローさんとプレーした時間が最高のギフトだと思っている」。菊池は、そう言葉を絞り出した。

 小学3年時に岩手県営野球場で見たオリックス時代のイチロー。そこからずっと、その背中は左腕のあこがれだった。1月の入団会見では共にフィールドへ立つことに「イチローさんが雲の上の存在過ぎて、会うまでちょっと信じられないというのが正直なところ」と話していたほどだ。

 それでも「会うたびに手に汗を握って心臓がバクバクしながら、お話をさせていただいた」と少しずつ親交を深めていったという。

 思い出した光景がある。09年の第2回WBCだ。06年の第1回大会で世界一に輝き、09年も連覇。その真ん中には常にイチローの存在があった。だが、2大会連続出場の元ロッテ・渡辺俊介(現社会人・新日鉄住金かずさマジック投手コーチ)は「良い意味で、みんながイチローさんに慣れてきたと思う」と06年との違いを話した。

 イチローを神のようにあがめ、言葉を“啓示”のように受け取っていた選手たちが、06年以降は自主トレを共にする者、連絡を取り合う者が現れ、イチローの言葉の意味を理解し、本当のすごさを知り、それまでと違う意識で背中を追った。だからこそ当時の渡辺は「3年前より確実に良いチームになったと思う」と話したのだ。

 言葉で、背中で、イチローから超一流の心構えを吸収した菊池。きっと「雲の上の存在過ぎて…」と話した2カ月前と今では、自らの心の中にあるイチローの存在意義が変わっていることだろう。

 「誰よりも徹底して準備をする野球へ向き合う姿勢は、イメージをはるかに超えていた。『とにかく1年目から結果を出すことで皆が認めてくれる。それを3年間続けて』と言っていただいた。その言葉を大事にしたい」

 メジャー初勝利を懸けた次回登板は日本時間30日のレッドソックス戦。イチローから受け取った“ギフト”を、どうマウンドで表現していくのか。これからの菊池雄星に注目したい。(デイリースポーツ・中田康博)

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