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目玉選手よりも「光る一芸」。スカウトが秘かに狙うセンバツの7人

 まもなく高校野球のセンバツ大会が始まる。

 例年、大会前になるとファンの注目を集めそうな”目玉”となる選手たちの話題が飛び交う。たとえば今年なら、星稜(石川)の奥川恭伸(やすのぶ)や横浜(神奈川)の及川雅貴(およかわ・まさき)がそれにあたるが、そうした”大物”以外にもプロのスカウトたちが秘かにマークする選手がいるものだ。そこで、何人かのスカウトに「要チェックしている選手」について聞いてみた。


東邦の俊足・強肩の遊撃手・熊田任洋

 ある球団の四国・中国地区担当のスカウトが推すのは、松山聖陵(愛媛)の根本大蓮(たいれん/投手/188センチ89キロ/右投右打)。

 昨年秋からエースナンバーを背負っているが、センバツ出場がかかった四国大会で実力を発揮できず、事実上、エースの座を下級生の平安山陽(へんざん・よう)に譲っていた。

「ここ一番になると、まだどっしり投げられない。それが昨年秋の根本でした。でも能力はある。それだけにセンバツで『おお、別人のピッチング!』というのを見せてくれたら、秋のドラフトは要注意です。やっぱり大舞台での”覚醒”というのは、何かを持っていると考えないといけませんから」

 松山聖陵は、昨年のドラフトでも土居豪人(ひでと)がロッテから8位で指名されている。

「2人が並んでブルペンで投げているのを何度か見ましたけど、素質で言ったら根本の方がずっと上ですよ。たぶん、ほかの球団の評価も同じはずです」

 スカウトたちが惚れ込んだ一番の理由は何なのか。

「たとえば、真っすぐの球筋がしっかりしている。しっかり指にかかって、スピンがかかった真っすぐが投げられる。骨格も大きいし、フォームだって踏み込みが大きく、スパイクの裏でしっかり地面をつかんで腕を振っている。土居と比べたら、根本の方がピッチャーらしさがありました」

 それほどのピッチャーが昨年の秋に力を発揮できなかった理由はどこにあるのだろうか。

「まぁ、メンタルって言ってしまえばそこまでなんですけど、たまにピッチャーは”遅咲き”の選手がいるんですよ。それがいいとか、悪いとかではなく、タイプとして時間がかかるピッチャーがいるんですよ。コンスタントに力を発揮するまで時間を要するのですが、いったん覚醒してしまえば、なにもなかったような顔をして働いている。もしかしたら根本もそういうタイプかもしれない……そう思っているから、気長につき合っていきますよ」

 また別のスカウトは、「状況として”隠れている”という意味では、東邦(愛知)の熊田任洋(とうよう/内野手/172センチ72キロ/右投左打)なんて面白いんじゃないですか」と俊足・強肩のショートを推す。

「東邦には石川昂弥(たかや)というバリバリのドラフト候補がいるんですが、球団によっては50m5秒台の足があって、身体能力の高い熊田の方が『使い勝手がいい』と高く評価しているところもあります。タイプ的には広島の菊地(涼介)かなぁ……小柄だけど、体が強く、パワーもある。初球からぴったりタイミングを合わしてきてスタンドに放り込む”怖さ”を持ったバッティングは、まさにプロ向きですよ。あとは、守りがどこまでうまくなっているかですね」

 その熊田と二遊間を組む杉浦勇介(179センチ63キロ/右投左打)の名前を挙げるのは、内野手出身のスカウトだ。

「担当地区じゃないので、昨年秋の明治神宮大会で初めて見たのですが、自分の頭で考えながら、ものすごくノビノビとプレーしているんです。ちょっとびっくりしましたね」

 東邦は全国屈指の強豪校であり、ワンプレー、ワンプレーにベンチから細かい指示が出ていそうなものだが……。

「出ていると思いますよ。いろんな制約のなかで野球をやっていると思うんですけど、そういう窮屈感がプレーにまったく出ていないんですよ。定位置よりも相当うしろで守っていたんですけど、よほど肩に自信があるんでしょうね。ボール回しの身のこなしを見ても、フットワークが軽快で、スナップスローもうまい。秋は体が薄かったけど、どこまで体をつくってきたか。75キロぐらいになっていたら、全球団マークでしょうね」

 ヤクルトの斉藤宜之スカウトは、「あくまで楽しみな存在ということで……」と前置きして挙げたのが、盛岡大付属の岡田光輝(外野手/176センチ75キロ/右投右打)だ。

「東北大会で『おおっ!』と思いました。いい肩をしていたので。シートノックの時からきれいな球筋の、グングン伸びるボールを投げていました。バッティングも、見た試合でヒットを2本打って、”抜群”っていうほどじゃないけど足も速い。この先、バッティングで大きく成長したら、リストに追加しなきゃと考えています」

 斉藤スカウトといえば、このセンバツでも”優勝候補”の一角に挙げられている横浜高出身である。母校の後輩たちは斉藤スカウトの目にどう映っているのか。

「たしかに、及川がいるのでマークされていますよね。研究されますから、チーム力は高くても楽な戦いには絶対にならないと思います。僕自身は、新2年生となる度会隆輝(わたらい・りゅうき/内野手/180センチ76キロ/右投左打)や津田啓史(内野手/180センチ77キロ/右投右打)に注目しています。とくに度会のバッティングには天才的なものを感じます。同じ左打者で横浜高OBの近藤健介(日本ハム)に近いセンスと技術を兼ね備えています。

 新2年生にはもうひとり、松本隆之介(投手/188センチ76キロ/左投左打)という選手がいるのですが、いい時の彼はアベレージで145キロ前後。それにスピードがあるわりにはボールが荒れないから、試合がつくれる。このセンバツでも先発する可能性があるかもしれないですよ」

 センバツは高校野球ファンにとってはもちろんだが、スカウトたちにとっても昨年秋からの成長を確認する楽しみな大会なのだ。スカウトたちの想像をはるかに超える選手は現れるのか……3月23日が待ち遠しい。

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