戻る


年収900万41歳独身公務員が陥った「趣味貧乏」


40代で独身、高年収なら貯金もさぞかし、という人に限って多趣味でお金が貯まっていなかったりする。お金も趣味も両立させるためには?(写真:tomos/PIXTA)

今回私たちの事務所に「お金の相談」に来たのは、役所に勤める41歳の公務員Hさん。スーツ姿にメガネをかけ、どこから見ても真面目そのものですが、悩みは「独身で自由に使えるお金が多いため、浪費してしまいまったく貯蓄できていない」というもの。外見からは、まったく想像ができないのですが、早速お話を伺ってみることにしました。

給料の半分以上を好きなことにつぎ込む「趣味貧乏」

Hさんは、学生時代にコツコツ勉強し、公務員試験に合格。大学卒業後は、公務員として行政の仕事に携わっています。どう見てもお金の問題で悩んでいるとは思えませんでしたが、聞いてみると、実は某アイドルのおっかけ、美少女系のフィギュア集めとオタクっぽい趣味の持ち主。それだけでなく、映画、歌舞伎、落語、ミュージカル鑑賞まで週末は多くの予定でびっしり埋まり、平日も仕事が早く終わった日には、やはり趣味に興じているそうです。

こんなにも趣味を謳歌できるのは、Hさんの年収が900万円、かつ、住宅も公務員用の宿舎がありそこに住んでいるため、家賃が相当割安で生活費がかからないことが主因です。

もちろん「それだけ使える金があるなら、いいじゃん」と言ってしまえばそれまでですが、お金が貯まらないのですから深刻です。まずは「見える化」ということで、Hさんとともに、実際毎月どれくらい趣味にお金をかけているのかを集計してみたところ、なんと、20万円以上にものぼりました。やっぱり、です。

Hさんに言わせると、自分でも散財しているのは自覚していたそうですが、生活に困っていなかったので特段気にしていなかったようです。では、なぜ事務所に相談に来たのか。きっかけとなったのは、70代前後になったご両親や職場の上司から「40歳を過ぎて結婚する気配がないみたいだけど、そろそろ考えたほうがいいぞ」と心配されることが多くなったことでした。

「40歳になったときからこのままでいいのかなとは不安に思っていたのですが、あまり考えたくなかったのでやり過ごしてきてしまいました。でも、さすがに両親や上司からたびたび心配されるようになり、遅まきながら婚活することにしたんです。でも、結果は散々でした……」

有名大学出身、公務員で高年収と、「スペック」は決して悪くないHさん。趣味も映画、歌舞伎、落語、ミュージカル鑑賞まで幅広いので話題に困らなそうですが、Hさんが言うには、女性との交際経験がほとんどなく、そのうえ、金銭感覚が乏しいことが結婚観の不一致の主要因となり、女性のハートをつかめないとのことでした。

とはいえ、交際するところまでこぎつけた女性もいたそうですが、Hさんのお金の使い方を見て、ドン引き……。Hさんは、女性にまったくモテナイ現実を目の当たりにし、そろそろ自分の散財についても向き合わなくてはと思ったそうです。

キャッシュフロー可視化で解決!まずは趣味費を半分に

私は、こういった浪費癖のある相談者には、支出の確認とともに、中長期的なキャッシュフロー(つまりお金の出入り)を確認してもらっています。とくに高学歴男性には数字で可視化することは有効なようです。

Hさんの場合、年収が高いので、趣味にかける金額を削減すれば大幅に改善できるわけですが、ダイエットと同じで無理に削減しすぎると、必ずリバウンドしてしまいます。

ですから、ひとまず、趣味にかける費用を現在の半分の金額としました。Hさんの今の貯蓄は300万円程度ということで、ゼロよりはましですが、本人の年収や独身で結婚を考え出したということを考えれば、多いとはとても言えません。

散財をしないようにするには、毎月使えるお金を減らし、貯蓄を堅実に行う「強制的な仕組み」が必要です。そこでHさんは、毎月10万円は強制的に貯蓄できるようにと、給料から天引きされる財形貯蓄に8万8000円、残りの1万2000円でiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めることにしました。

まず前者の財形貯蓄には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つがありますが、Hさんはこのうち一般財形貯蓄を選択。一般財形貯蓄は、資金の使い道が自由。3年以上積み立てるのが条件ですが、積み立て開始から1年経てば引き出すことができます。ただし引き出すには会社の窓口や上司の印鑑などが必要で、銀行の普通預金にように簡単には引き出せません。

後者のiDeCoは積み立てた掛け金の全額が所得控除になるので、所得税・住民税が節税できます。引き出しは60歳以降と制限はありますが、節税しつつ、老後資金を貯めることができます。

読者の方の中には、「趣味費を半分しか減らさないなんて甘い!」と言う方もいるかもしれませんが、今まで多くの浪費癖のある方を見てきましたが、突然急激な締め付けを強いると、その反動でさらに浪費してしまう傾向があります。そのためHさんのように、ある程度の時間をかけて徐々に費用を減らしていき、状況を話し合いながら決めることが有効です。

また、筆者は、上限は設けたとしても、ある程度趣味費にお金をかけるのは問題ないと考えています。「お金は使ってなんぼ」であり、そもそも自分の好きなように使っていいわけですから。毎月堅実に貯蓄ができ、何にいくらお金を使っているのか意識できているのであれば、残りのお金を何に使うかは、Hさんの自由です。私たちは、相談者の方がお金と向き合い、お金に振り回されない人生を送れるよう、伴走者としてサポートするのが仕事です。

子ども時代の「親の締め付け」が浪費の根源だった?

筆者は今回Hさんの浪費の根源を探るべく、育った環境などもお伺いしましたが、どうやら厳しい両親に育てられたようで、大人になって一人暮らしになり、その解放感が散財の根源となっていたようです。

というのも、両親は、Hさんに幼少から英才教育を施し、学校から帰ると、家庭教師の先生が待ち構えていて勉強漬けの日々。友達ともほとんど遊べず、たまに遊びに行くときにも厳しい門限があり、それは高校を卒業するまで続いたそうです。晴れて大学生になって一人暮らしを経験、人生で初めての解放感に浸ったHさんはこの頃からアイドルやフィギュアにはまり始めたそうです。なんと、友人と映画館に行って映画を見たのも大学生になってからだそうです。

結局、大学生や社会人になってから自由を手にし、歯止めが利かなくなってしまったのかもしれません。子育てや部下の育成など何事にも通じることですが、過度に締め付けると、どこかでひずみを生じるのかもしれません。今回のケースに限りませんが、つくづく、お金の使い方と人生はつながっているな、と思います。Hさんがお金に振り回されず、自分らしい人生を楽しんでもらえるよう全力でサポートしていきたいと思います。

原文リンク

本站帖子來源於互聯網,轉載不代表認可其真實性,亦不代表本站觀點!
關於本站| 官方微博| 私たちの関心網| よくある問題| 意見反饋|copyright 私たちの関心網