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山口蛍がヴィッセル神戸への移籍を決断した真相「自分を解放したい」

2019年Jリーグ開幕特集
「ヴィッセル神戸が面白い」(1)
MF山口蛍インタビュー

2019年シーズンのJリーグにおいて、とりわけ大きな注目を集めているのが、ヴィッセル神戸だ。今回、その主力選手たちが”今季のヴィッセル神戸”を熱弁。自身のプレーや今シーズンの戦いで成し遂げたいこと、さらにはチームの目標などに思いを馳せた。第1回目は、セレッソ大阪から移籍加入した山口蛍が語る――。


新天地での決意を語った山口蛍

気持ちを解放させて
1からのスタートを

 自分にとっては2度目の移籍ですが、1度目の海外とは違って、国内移籍は言葉も通じるし、生活環境にも大きな変化はないので、そこまで適応に苦しむことはなかったです。ただ、そうは言ってもプレシーズンの過ごし方や練習内容は全然違うし、お互いの特徴を知り、それをチームとして機能させていく難しさは感じています。

 ましてや僕の場合、セレッソ大阪での時間が長かった分、周りの僕に対するプレーのイメージも、なんとなく固定されたものがある気もしますしね。それも自分であることに間違いないですが、あくまでチームスタイルがあってのプレーだったと考えれば、自分なりに制限をかけていたところもあったので。それを取り払って、自分らしさとか、理想とするプレーのイメージを示していくことも大事だと思っています。

 今回のタイミングで移籍を決断したのは、簡単に言うと一サッカー選手として成長を求めるためでした。セレッソではある意味、確約されているポジションがありましたが、新しい場所でイチからの競争に身を置き、ポジションを勝ち取っていくことで見えてくるものもあるのかな、と。

 また、先ほども言ったように、ここ数年は自分のプレーやいろんなことを制限してやってきたところもあったので、一度「自分の気持ちを解放させたい」という思いもありました。

 もちろん、アカデミー時代から育ててもらったセレッソには感謝しています。2016年にハノーファー(ドイツ)から戻るにあたって口にした「残りのサッカーの人生のすべてをこのクラブとともに歩んでいこうと思う」という言葉も、「プレーで返していく」と誓ったことも、あの時の自分の素直な本心です。

 事実、そこから昨年までの時間は、常にそうあるべきだと自分に言い聞かせて戦ってきました。その中で尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督のもとで過ごした2年間はとても充実していたし、それは2017年に、クラブにとっては初めてとなるルヴァンカップと天皇杯の、2つのタイトルを獲得できたことにも表れていたと思います。

 ただ、そうした時間を過ごす中で、自分なりのいろんな気持ちの動きがあり、先ほどお話ししたような考えのもとで、新たなチャレンジを選択することに決めました。決断した限りは、これを自分の力で「よかった」と思えるものにしていきたいと思っています。

個人的な成長を求め、
チームを助けられる存在に

 そんなふうに自分自身の成長を求めるうえで、アンドレス(・イニエスタ)やルーカス(・ポドルスキ)、(ダビド・)ビジャの存在も大きかったです。彼らと一緒にボールを蹴るようになって2週間が過ぎましたが、同じピッチに立つことで感じられることがすごく多いなとも思います。

 アンドレスはすべての面でのレベルが高く、基本的な止めて蹴るとか、単純に前を向く技術など、一見簡単なように見えて、簡単にするのが一番難しいプレーを、一切の無駄な動きをすることなく、スムーズに発揮できるし、それがどんな相手を前にしても、ミスなく、パーフェクトにやれるから、あの体格でも世界の第一線で活躍してきたんだと思います。

 また、外国籍選手に限らず、日本人選手にも経験値の高い、巧い選手がたくさんいて、刺激を受けることは本当に多いです。

 そうしたなかで、先ほども言ったような個人的な成長を求めたいと思っていますが、一方で僕自身の持ち味は”チームを助けられるプレー”にもあると思っています。だからこそ、ピッチに立つ時にはいつも、第一にチームを助けるプレーを考えているし、僕がひとりいることによって、同じピッチに立つ仲間に「いてくれて助かるな」と思ってもらえる選手であることが理想でもあります。

 そこは、ヴィッセルでも継続していきたいことの1つです。とくに現時点で取り組んでいるフォーメーションを機能させるには、また、前線のタレントを思えばこそ、彼らがよりイキイキと躍動するには、僕の守備における役割はすごく大事になってくるんじゃないかと思っています。

 いずれにしても、そうした連係をスムーズにするのは、お互いのプレースタイルを知り、ピッチ上でコミュニケーションをどれだけたくさん図れるのかにもよるはずなので、選手同士でもっと会話をしながら、考え方をすり合わせていきたいと思います。

新しいチームでの
『やりがい』を成長につなげる

 ヴィッセルは昨年から”アジアナンバーワンクラブ”を目指し、いろんな改革をしています。昨年、対戦相手として戦ったヴィッセルにはまだそこまでの変化を感じなかったけど、実際に中に入ってみると、変わろうとしている意思を感じるし、それはサッカーにも表れていると思います。もちろん、どのチームもスタイルへのこだわりを勝利につなげていくのは簡単ではないし、今年の戦いでもそれは言えると思います。

 でも、このチームには昨年、結果が出なかった時期にもそれを貫こうとしてきたことで積み上げられた財産があるはずなので、それを力にしながら、今年も継続していくことが大事。実際、タレントが顔をそろえる前線にしっかりと後ろからボールをつけることができれば、ボールを握れる展開になるはずですし、それができれば勝つ確率も上がっていくのかな、とも思います。

 その分、僕の守備の負担は増えそうですが(笑)、それも新しい環境に来たからこそのやりがいだと感じているし、自分が踏ん張れるかどうかが結果を左右する、というプレッシャーをしっかりと力にして戦っていきたいです。

 今シーズンの目標は、例年どおり、まずはケガなく1年間試合に出続けること。また、チームの目標である”アジア”を獲るためには、天皇杯優勝かリーグ戦で上位に食い込んでいくしかAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場権を獲得できないので、そこを明確に見据えてやっていきたい。

 そのうえで、この先の将来には日本代表への復帰も当然描いています。今回のアジアカップを見ていても、ああいう舞台で戦っている日本代表選手の姿を素直に羨ましいとも思いますしね。ただ、あくまでも代表というのは自分の所属チームでの活躍の先にあるものなので、ヴィッセルに加入したばかりの今は、「まだ何も見えていない」というのも正直な気持ちです。

 ですが、ここでいいパフォーマンスを示せれば、自然と自分の気持ちとしても「戻りたいな」って思いが湧いてくるはずなので。現時点では、とにかくヴィッセルでやるべきことをやって、チーム、個人としての結果を求めていきたいと思っています。

 ちなみに、新しいユニフォームは……まだ多少違和感があります(笑)。練習着やジャージは黒がベースなので、さほど違和感はないけど、ユニフォームに袖を通すと「似合ってないな」って思う(笑)。ただこれも、リーグ戦が開幕して、時間を重ねていくことで馴染んでいくのかな、と。

 また、応援してくださるヴィッセルサポーターのみなさんにとっての僕ということでも、今はまだどうしても関西のライバルチームから来た、とか、セレッソのイメージが強いはずですからね。すぐに受け入れてもらえるとは思っていないけど、できるだけ試合に出て、自分のプレーを見せて、結果を出していくことで少しずつ認めてもらえれば、と思っています。

(2) 藤谷壮インタビューへ>>

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