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「経費になる領収書」と「ならない領収書」の境界


経費になるレシートと、ならないレシートのちがいとは?(写真:hanack/PIXTA)

個人事業者の方も、中小企業の社長も、「どんなものを経費にしていいのか」正確に把握している人は少ないように思います。もし顧問税理士がいれば、すべてのレシートを取っておいて取捨選択は税理士に任せればいいだけ。いない場合は、自分なりに「これは経費になる」と判断して、レシートを仕分けしていることでしょう。

ただ、前者にしろ、後者にしろ、税務署による「追徴課税(税金の未納が指摘された際のペナルティ)」のリスクはあります。というのも、「経費になるレシートとならないレシート」の境界線は非常に曖昧だから。税金のプロである税理士であっても、その基準は異なりますし、自分でレシートを仕分けしていれば、「忙しいから」「どうせ税務調査なんてこないだろう」などの理由から、おざなりに済ませている人もいるでしょう。

以前、「税務署が家に来る人と来ない人の決定的な差」でも紹介したように、税務署から見て、「目立つ人」は税務調査の標的になりやすいです。

経費として認められるレシートの条件

税務調査やペナルティを避けるためには、まず、「どんなものが経費として認められるのか」を知る必要があります。国税庁のホームページ「やさしい必要経費の知識」には経費について次のようにあります。

(1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

あまり「やさしい」説明とは言えません。平たくいうと、「仕事に関係あるお金」が経費となります。仕事をして、収入を得るため、売り上げを増やすためには、支出が伴います。外注に出したり、宣伝広告費を使ったり、機械設備を買ったり、店舗を修繕したり、取引先と会食をしたり、そういったお金が「仕事に関係あるお金」です。

「経費にできる時期」についても注意が必要です。その年に支払った場合でも、まだ債務の確定していないものは経費になりません。逆に支払っていない場合でも、その年に債務が確定していれば経費になります。

さきほどの「やさしい必要経費の知識」によると「債務が確定している」とは、以下を満たす場合です。

(1) その年の12月31日までに債務が成立していること。
(2) その年の12月31日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) その年の12月31日までに金額が合理的に算定できること。

まったく「やさしく」ありません。要するに、支払いだけを見て経費の時期が決まるのではなく、注文した商品が届く、依頼したサービスの提供を受けるといった事実を経て、経費として算入できるということです。

利益が出そうだから、12月31日に事務用品をたくさん注文しても、届くのは1月以降。すると、年内に使用することはできませんので、経費にはできません(現金主義を採用している場合は経費にできます)。

また、事業を始めたばかりの方に注意してほしいのが、「家事関連費」です。プライベートと仕事、両方に関わりのある買い物やサービスは、経費の算入が曖昧になる傾向にあります。

経費に計上してもいい「家事関連費」

代表的なのは、交際費、家賃、水道光熱費、通信費、消耗品費。ですが、経費にするには、業務遂行上直接必要であったことが明らかで、それを取引記録で示さなければいけません。さらに、配偶者や親、子、兄弟に払う家賃は経費にできません。また、彼らに支払う給与も経費にできません(特別な場合を除きます)。

上記は所得税の話なので、個人事業者や副業をしている会社員の場合です。法人では、経費(損金)にできるのは、売上原価等の額、販売費、一般管理費その他の費用の額、損失の額とされていて、基本は所得税と同じですが、経費が認められやすくなっています。

家族を従業員や役員にするのも容易です。そうなれば家族で会議をし、その際の食事の会計が、会議費として損金になる可能性がある。その場合、個人事業者では捨てていたレシートも、捨ててはいけない大切なレシートになります。

一方で、あなたが会社員で、会社の業務に関係ある支払いをあなた自身が負担しても、それは経費にできません。そもそも、給与所得者には経費が認められません。その代わり「給与所得控除」が、あなたの所得を減らしてくれています。

会社員が知っておきたい「特定支出控除」

条件は厳しいのですが、「特定支出控除」を受けるなら、会社員にも捨ててはいけないレシートがあります。

特定支出控除は、「仕事をするうえで必要」と認められた支払いが給与所得控除の2分の1を超えると使える控除です。本の購入や制服の作成、単身赴任で自宅に帰るための旅費、仕事に必要な知識を得るための研修、接待、プレゼントにかかった費用が対象になります。そういった支払いがあれば、年末まで1年分のレシートを取っておき、会社に証明書をもらって、確定申告で控除すれば、還付金が受け取れます。

また、給与所得者であっても、副業を行っている方は個人事業者でもあります。副業では経費が認められるのでレシートを取っておく必要があります。たとえ副業の収入より経費のほうが多くなってしまっても、これ以上は不要と考えてレシートを捨ててはいけません。「損益通算」という制度を使えば、事業所得の赤字を給与所得から差し引いて、所得税の還付を受けることができるからです。

捨ててもいいレシートと捨ててはいけないレシートの判定は難しく、経営者でも悩むことが多いもの。もし不安であれば、プライベートな支出であると断言できるレシート以外は念のため保存しておき、来るべき日に精査する、あるいは、税務署で確認するといいでしょう。

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