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家族で乗れるハイパフォーマンスカー? メルセデスAMGから異色の新型車

2019年に10車種以上の新型車を投入する予定のメルセデス・ベンツ日本。その第1弾として今回、AMGシリーズ初の4ドアスポーツカー「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」を発表した。納車は5月以降を予定。価格はスペックによって異なるが1,176万6,000円〜2,477万円となっている。

AMG東京世田谷にてアンベールされた「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+」。2月14日に注文受付を開始した。発表会にはメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎代表取締役社長(右)とメルセデスAMG社でAMGスポーツカー商品企画を統括するサイモン・トムス氏が登壇

趣味性と利便性を兼ね備えた正統派AMG

2018年の登録実績で前年比6.3%増、台数にして7,606台と日本で好調なセールスを記録している「メルセデスAMG」シリーズ。世界第4位の市場規模を持つ日本は同ブランドにとって重要なマーケットだ。

今回発表となった「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」は、同シリーズが追求するハイパフォーマンスとエモーショナルなデザインはそのままに、4ドアの利便性を兼備している。要するに、スポーツカーの性能を備えながら日常生活における使い勝手にもこだわったモデルであり、今後、同ブランドを牽引する存在として期待されている。

「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」の中では1,176万6000円ともっとも安価なモデル「メルセデスAMG GT43 4MATIC+」

日本でのラインアップは、最大出力21PS、最大トルク250Nmを発生する電気モーター「ISG」(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と3.0リッター直列6気筒直噴ターボエンジン“M256”を搭載する「メルセデスAMG GT43 4MATIC+」および「メルセデスAMG GT53 4MATIC+」に加え、4.0リッターV8直噴ターボエンジン“M177”を搭載した最上級モデル「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+」と、専用装備多数の特別仕様車「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+ Edition1」の計4車種となる。

「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+」のサイズは全長5,054mm、全幅1,953mm、全高1,447mm、ホイールベース2,951mmだ

4ドアのため乗り降りしやすいのもポイント。加えて、大人が乗車してもゆとりのある設計がなされた後席は居住性も高い

今回の新型車で最大の特徴は、AMG GTとして初の4ドア車となり、最大乗車定員が5人になったことだ。これまでであれば、趣味性の高い2ドア2シーターのAMG GTを所有する場合には、これとは別に、家族の移動用に多人数で乗れるクルマを用意する必要に迫られるケースが多かったはず。しかし、「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」であれば、1台で趣味・嗜好を満足させつつ、ファミリーユースの運用も可能になる。

「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+」のラゲッジスペース。日常使いするには必要十分な積載量が確保されている

利便性の高さを物語っているのが広いラゲッジスペースだ。通常時でも461L(GT43とGT53は456L)の容量を確保しているが、折りたたみ式のリアシートを格納すれば最大で1,324L(GT43とGT53は1,319L)まで拡大できる。ハイパフォーマンスカーでありながら、まとめ買いした日用品を詰め込むことが可能と考えれば、その使い勝手のよさは想像に難くない。

エクステリアは快適な後席環境と積載性を確保すると同時に、メルセデス・ベンツの「Sensual Purity」(官能的純粋)というデザイン思想を踏襲。フロントは伝統的なクーペの構造的特徴であるロングボンネットに2つのパワードームを採用することで、スポーティーさを表現した。

また、縦にルーバーが入ったAMG専用ラジエーターグリルや逆スラントしたシャークノーズ、上下方向に細いLEDリアコンビネーションランプ、リトラクタブルリアスポイラーなど、随所にAMGファミリーの特徴を備えている。

メルセデスAMGのトップモデルに採用される専用ラジエターグリルが存在感を放つフロントマスク

メルセデスAMGシリーズ最速を記録した高性能エンジン

もちろん、走行性能にも抜かりはない。ドイツ・ニュルブルクリンク北コースで叩き出した1週=7分25秒41というタイムは、量産4ドア車で世界最高の記録となった。

サイモン・トムス氏が「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」の詳細をプレゼンテーションした

GT63Sに搭載される“M177”エンジンは、2基のターボチャージャーをV型シリンダーバンクの内側に配置するホットインサイドVレイアウトを選択。これによりエンジンのコンパクト化を図るとともに、低回転域におけるターボチャージャーへの吸排気経路を最適化し、ツインスクロールターボによる優れたエンジンレスポンスを狙った。その結果、停止状態から時速100キロまでの加速が3.2秒、最高時速は315キロというシリーズ最高速度を実現した。

「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+」が搭載する“M177”エンジン。最大出力は470PS、最大トルクは900Nmだ

その走行性能をいかんなく発揮するため、足回りも強化した。例えば速度が時速100キロを超えると、リアホイールがフロントホイールと同方向に最大0.5度傾いて、走行安定性がアップする。コーナーなどで進行方向を変更する場合には、リアホイールに働く横Gの増加ペースが高まり、ステアリング操作に対するレスポンスが改善されるという。

GT43とGT53に搭載されるIMGは、48V電気システムとの組み合わせにより、ハイブリッド車のように回生ブレーキで発電し、容量約1kWhのリチウムイオンバッテリーを充電する。エンジンの低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高効率で力強い加速に貢献するそうだ。

「メルセデスAMG GT43 4MATIC+」と「メルセデスAMG GT53 4MATIC+」に搭載される“M256”エンジン。GT43は最大出力367PS、最大トルク500Nm、GT53は最大出力435PS、最大トルク520Nmと性能に多少の差がある

“M256”エンジンは、直列6気筒レイアウトの採用で、エンジン左右のスペースに補機類の配置が可能になった。加えて、従来はエンジン回転を動力としていたエアコンディショナーやウォーターポンプなども電動化。エンジン前部のベルト駆動装置が不要になったことはコンパクト化にも効いている。

また、ドライブモードはGT43とGT53で5種類、GT63Sで6種類を用意。モードはセンターコンソールの「AMG DINAMIC SELECT」で変更できる。

発表会場には日本限定20台の「メルセデスAMG GT R PRO」(画像)も展示されていた。販売価格は2,900万円とプレミア級

2019年の日本市場を席巻する可能性も高い

発表会でメルセデス・ベンツ日本の上野社長は、米国の「サーキット・オブ・ジ・アメリカズ」で試乗した自身の経験を踏まえ、AMG GTの新型車を「後ろに席が新たに2つ付いたスポーツカー」と表現。プロレーサーでなくとも小気味よくサーキットを高速走行できる性能を高く評価するとともに、このクルマでAMGの新たな顧客層にもリーチできると自信を示した。

上野氏は「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」でAMGの客層を広げたい考えだ

確かに、クーペの走行性能とセダンの快適性・利便性を併せ持った新モデルが、AMGの間口を広げる可能性は大いにありそうだ。AMG人気の高い日本で、ファミリーユースにも対応するハイパフォーマンスカーがどんな評価を受けるのか、注目したい。

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