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ZOZO「前澤社長」の1億円バラ撒きでも消せない悪い評判 株価は下落、大手が離脱…

前澤友作社長

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ZOZO「前澤社長」の1億円バラ撒きでも消せない悪い評判(1/2)

 年明け早々、100万円を100人に配るというキテレツな作戦に打って出たZOZOの前澤友作社長(43)。他方、株価は一時の勢いを失い、大手ブランド離脱のニュースも伝わってきた。果たして、1億円のバラ撒きでも消せない悪い評判が聞こえてきたのである。

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 企業の成長には限界があることを指して、地球より大きくなれないという言い方がある。その地球を飛び出して月へ向かう計画を昨年9月に発表したのが、ZOZOの前澤友作社長だった。

 26歳の女優との交際、プロ野球への参入プランなどが世間の耳目を集めたこともあり、株価は夏に4800円、時価総額で1兆円を軽く超えていた。しかし、その後は右肩下がりを続け、大納会当日には一時約13%下落、2千円を割る局面もあった。世界同時株安という地合いの悪さもさることながら、その急落の原因を、「オンワードのZOZO退店」に見る向きは少なくない。

前澤友作社長

 これは、ZOZOが運営する衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」から、オンワードが出品を取りやめたものだ。同社が「23区」などの主要ブランドをZOZOで展開しておよそ10年を経ての“離縁”だった。

「ZOZOさんが昨年12月25日から導入した新サービスというのは、言ってみれば恒常的な値引きサービスのことで、ブランド価値を毀損する危険性が高いと判断致しました」

 と、オンワードHDの担当者。この新サービスとは、「ZOZOARIGATO」と言って、年会費3千円または月会費500円を払うとZOZOTOWNでの買い物が常に10%引きになるというものだ。割引分はZOZOが負担するのだが、新商品を投入したそばからバーゲンセールが始まることになり、リアル店舗との価格差など少なからぬ混乱が生まれることに繋がる。

 オンワードの保元道宣社長は新サービスについて、「事前に十分な時間や相談がなかった」とも指摘した。

守ってきたブランド・イメージが…

 売上高500億円弱のある著名ブランドも、オンワードと同じ理由で撤退を決めた。執行役員に聞くと、

「“キャンペーンを始めます”というお知らせのメールがウチのEC(ネット通販)担当に届いたのは、よりにもよって年末の繁忙期。ZOZOからの連絡は常にメールで送られてくる。一斉送信みたいな文面です。“値引き分はZOZOが負担する”旨は確認できましたが、実際にZOZO上で商品がどのように表示されるのかなどの詳細については全く分からない状態でした。その時点では特に問題視せず受け入れてしまったのですが、年明けの始業日にZOZOのページを見て衝撃を受けました」

 そこには「ARIGATOメンバー価格」として、定価から割引された金額が表示されていたからだ。

「私たちは店舗でセールを一切行なっておらず、どんなに営業を受けてもアウトレットへの出店もしてこなかった。そうして守ってきたブランド・イメージから大きく逸脱してしまうと思い、大急ぎでZOZOの担当営業に連絡を取りました。“こういう形のキャンペーンだったら退店を考えざるを得ない。直接上司と話したい”と伝えたのですが、この件で担当部署には問い合わせが殺到中。上司との面談が叶うのは最短で月末だと言うんです。反発するブランドに対して“どういう形であれば継続して出店していただけますか”とヒアリングに回っているとも聞きました。ウチとしてはその時期まで放っておくわけにはいかないので、“申し訳ないけど、とりあえずZOZOの弊社商品ページは非公開にさせて頂きます”と伝えたのです。同業他社の担当さんも頭を抱えており、“新商品や限定商品はZOZOに出さない”など、対策を考えて動き出してるみたいです。ウチにはメール一通のみだったけど、外資のラグジュアリー系のブランドさんには、直接足を運んで説明しているみたいです」(同)

 このブランドの場合、商品が売れると代金の30%強を手数料としてZOZOに差し引かれる。日本で最も手数料が高いリアル店舗は伊勢丹新宿店で、ブランドによってマチマチだが、3割前後を徴収しているという。ZOZOでは更に「クーポン」と言って、対象ブランドの商品を安く買える仕組みがあり、この割引分は各ブランドが負担する。これは販売ツールとして強力だからブランドは頼りがちになるのだ。

「“いっそ止めてもいいのでは”という声はかねて社内で上がっておりました。ウチが支払っている手数料は30%ですが、あとから参入したところはもっと取られています。同じ会社が手掛けていても、最初から出していたブランドと後から参入したものとでは手数料が異なるようです。そもそもZOZOに出店したのは、ファッション感度の高いユーザーが集まっているという印象を持っていたからです。でも、今はしまむらや西松屋の商品もたくさん並んでいて見え方が変わってきている。ウチの商品はギフト需要も高いので“どこでも買える”イメージは避けたい。今回のキャンペーンをきっかけに、オンワードさんが撤退したことにも背中を押されました。他にもミキハウスさんなんかもZOZOとの付き合い方に悩んでいるそうです」(同)

「ガックリきちゃいました」

 昨年末には、〈ユナイテッドアローズがZOZO離れへ、ECサイトの開発委託先を変更〉と報じる記事もあった。

「“前澤社長がZOZOを売るんじゃないか”という噂も耳にしましたし、ウチみたいな堅い会社にとって、永続的に真面目なビジネスが出来る相手としてZOZOってどうなんだろうという疑問はあります。一部の人が利益を搾取している印象があり、不信感は募っています。年始に前澤社長がツイッターで『お年玉キャンペーン』をしていましたよね。個人のお金だから会社とは関係ないんでしょうけど、株価も落ちている状況でよくやるなぁと思いました。それなのにウチの奥さんも息子も参加していたことが判明して、ガックリきちゃいましたよ」(同)

「お年玉キャンペーン」とは、新春セールの取扱高が史上最速で100億円を突破したことに感謝を込め、前澤社長個人から100名に100万円をプレゼントしたものだ。ツイッターで社長をフォローし、リツイート(拡散)するだけで資格を得られるということで、フォロワーは約12倍、リツイートは554万を超えた(世界記録)。NHK『ニュース7』をはじめスポーツ紙は一面で報じ、各ワイドショーもこぞって取り上げる。対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給するヘリコプター・マネー政策は中央銀行あるいは政府の専売特許だったはずだが、そのお株を奪うとまでは行かずとも話題性は十分。費用対効果は十二分だった。

 ZOZOには消費者という顧客と同時に、出品者という顧客が存在する。既に触れ、そして後章でも紹介する通り、出品者から悪評がどんどん出てくる。彼らの血涙を原資に1億円のバラ撒きが行なわれたと論難されないためにか、ツイートでは「僕個人から」と言い添えていた。彼自身、〈2016年度77億円、2017年度34億円、2018年度70億円(予定)。個人での国内における所得税や住民税などの納税額です〉と呟いたことがある。収入の多くはZOZOからの配当と株の売却益が占めているのだから、出品者という顧客の血涙が巡り巡って流れていると言えなくもない。

 顧客かどうかもよく分からない新規フォロワーに大盤振る舞いして「日頃の感謝」と称する陰で、なおざりにされる出品者たちの落胆……。先の執行役員の「ガックリ」はそういうことになる。

(2)へつづく

「週刊新潮」2019年1月24日号 掲載

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