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アジアは「厳しくない」。4年前に重なる日本代表の弱点。勝利に必要なのは気持ちではなく技術

日本代表は21日、アジア杯・ベスト16でサウジアラビア代表と対戦する【写真:Getty Images】

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シビアではないアジアの戦い

 AFCアジアカップ2019はいよいよ決勝トーナメントに突入した。日本代表はベスト16でサウジアラビアと戦う。アジアの戦いは厳しいと言われているが、果たして本当だろうか。4年前苦杯を舐めたベスト16突破に必要なこととは何か。(取材・文:植田路生【UAE】)

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 アジアの戦いは厳しい。サッカーではよく聞く言葉だが、果たして本当にそうだろうか。

 かつて日本がワールドカップに出場できていない時代であればそれは正しい認識だった。しかし、今ではそれは夢ではなく当たり前となり、予選もシビアではない。

 劣悪な環境や低レベルな審判が試合に大きな影響を及ぼすこともあった。だが、現在アジアカップが開催されているUAEは気候も穏やかでホスピタリティも良い。審判レベルも年々上昇し、とんでもない誤審は激減した。

 アジアサッカーのレベルは上がっているとはいえ、アジアに日本より格上な国は1つとしてない。このような状況でアジアが「厳しい」としてしまうのは、甘えに近い。勝って当たり前の試合が続くプレッシャーを「厳しい」という見方もできるが、それは言葉遊びのレベルだろう。

 ワールドカップは間違いなく厳しい戦いだ。6月に参戦するコパ・アメリカも厳しい戦いだ。それに比べるとアジアカップは楽な大会と言える。技術的に上の相手に対して精神的に上回り、運を手繰り寄せて勝利を願うようなものではない。

4年前に重なる森保ジャパンの弱点

 サウジアラビア戦は決勝トーナメント・ベスト16。前回大会はここで敗れた。相手のUAEに叩きのめされたわけではない。あれは単なる取りこぼしだ。

 開始直後に森重真人が裏をとられ、吉田麻也もカバーが遅れた。スピードのあるFWマブフートに抜け出されて失点。相手の特徴を守備陣が落とし込めていなかった。その後、日本は圧倒的に支配し幾度となく決定機を作るも、同点に追いつくのがやっと。PK戦に持ち込まれ敗れた。

 失点シーンは反省すべきだが、対策を立てていても出合い頭に運悪くやられてしまうことはよくある。それよりも問題なのは、引いた相手を崩す策がなかったことだ。しっかりと守る相手に対し、守備陣を崩すのではなくガムシャラに攻めるだけで対応しやすい攻撃に終始した。これは気持ちではなく技術的な問題である。

 森保ジャパンも同様の不安を抱えている。グループステージすべてで苦戦した要因は何だったか。守備ブロックを作る相手に対し、まもとにぶつかる攻撃ばかりだったからではないか。すべての攻撃で得点を狙うのではなく、相手に攻撃パターンをわざと刷り込ませる罠を仕掛けることも必要だ。弱点が顕在化していないのは、相手のレベルが低いためゴリ押しでも崩せてしまったからだろう。

 森保一監督をはじめ選手らは「失点しないこと」を最重要課題に掲げる。それは当然だが、気をつけていたとしても失点は起こってしまうものである。ビハインドになったとき、焦って攻め急ぐのではなく、技術で上回り90分間で崩せるかどうか。

 原口元気は「どんな状況になるかはわからないが、それへの対応力はあると思う」と語った。劣勢の状況で必要なのは追いつくためのプランだ。相手が崩れないときに必要なのは、揺さぶるための罠、変化への仕掛け。これは技術力の問題だ。決して、より「がんばる」という精神論ではない。

 サウジアラビア戦で技術の高さを見せられるか。4年前の雪辱を果たせるかどうかはそこにかかっている。

(取材・文:植田路生【UAE】)

text by 植田路生

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