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お金持ちに「ヒマ人」がやたら多い本当の理由


お金持ちは「働かずに生活できる仕組み」をどう作り、「持て余している時間」を何に使っているのだろうか。そこに「お金が儲かる仕組み」が隠されている(筆者撮影)

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。シンガポールで超富裕層と言われるお金持ちと接していると、お金を大切に扱うことはもちろん、それ以上に大切にしているものがあることに気づきます。彼らがお金以上に大切にしていることに、「時間」があります。「時は金なり」という格言がありますが、時間を有効活用できれば、少ない時間でお金を効率的に作れるからでしょう。

テレビなどで人気の専門家に話を聞く場合、「1分いくら」と自分の時間を高く設定している人もいます。その時間を使って他の仕事をしたら稼げる利益を機会費用と言います。彼らは限りあるお金や人材をどうやって配分すれば、利益を最大化できるかをよく考えているのです。

時間を取られる「急な仕事」が少ない

海外では有名な弁護士や公認会計士などに相談をする場合、1時間の最低単価が5万円以上する場合もあります。その資格を取る労力、10年以上の実務経験など、その人がこれまで投資してきた時間や実績に対する報酬は当然、高額になります。

では、弁護士や公認会計士などの有資格者以外の人は、どうすればそのような時間単価の高い仕事ができるのでしょうか。国土が狭いシンガポールでは、東京以上に富裕層も含めてありとあらゆる人と交流する機会がありますが、富裕層ほど忙しそうにしていないものです。なかには、あえて暇にしているような人もいます。例えば、子どもの行事なども両親そろっての参加率が高いのです。実際はそれなりに忙しいのでしょうが、時間を取られる急を要する仕事が圧倒的に少なく、時間を上手にコントロールしやすいのです。

今すぐにやらなければならない仕事に追われることなく、「人と会う」「本を読む」「旅に行く」という体験に投資できる時間が一般人に比べると圧倒的に多いのです。一般人が「仕事7対投資3」だとすると、富裕層はその真逆ではないかと感じるほどです。

富裕層のインスタグラムを見ると、常に旅行の写真ばかりアップしている人たちもいます(しかも長期旅行)。「本当に働いているのかな」と思うこともありますが、配当収入で生活していても、自分がオーナーの会社でちょっとした仕事を持っているという人もたくさんいます。旅先でもリモートで仕事していたり、人に任せるなどの工夫をしているようです。

私自身、シンガポールに住んでいる富裕層のライフスタイルに憧れて、そうした時間配分にするにはどうすればいいかを日頃から考えています。彼らはあくせく頑張っているようには見えませんが、よい習慣を効率的に「ルーチン化」していたのです。

例えば、運動です。外資系の金融機関で働いていたとき、ビルの中にスポーツジムがあって、外国人をはじめとした営業スタッフたちは、出勤前や昼休みなどの隙間時間を利用して毎日運動していました。運動は仕事に必要な体力の維持とともに、長期的な健康を確保するために重要です。しかし、差し迫ってやらなければならないわけではないので後回しにしがちです。

富裕層ほど運動は投資と心得ていて、毎日決まった時間にウォーキングするなど、歯磨きと同じように習慣化しているのです。これが「やらなければいけない」と思うと、億劫になったり、力んでしまって長続きしません。しかし、感情を排して習慣にしてしまえば、短い時間でもよく、決して頑張りすぎなくてもよいのです。

忙しい人が投資する時間を捻出するには

普段慌ただしくしていると、「本を読む」「運動をする」「人に会う」などの時間がなかなか確保できていないと思います。差し迫った仕事を減らせないのと、それにエネルギーを使ってしまうからです。

富裕層の場合、使用人や社員などのスタッフを使い、彼らに的確な指示を出して、上がってきたものに対してチェックすることがほとんどで、自分ですべき実務を減らしています。このように自分が働かなくても、お金を生み出す仕組みをしっかり用意しています。普通の人がメイドを利用したりするのは困難でも、ある程度外注したり、人に任せたりすることは可能です。

例えば、日本で生活していると気づきにくいかもしれませんが、時短に役立つ家電製品や健康的なお惣菜が、海外と比べると結構安い値段で入手しやすいです。また、これは日本に限りませんが、「自分ではなくてもできる仕事は部下に任せる」「仕事をIT化させること」も重要です。私の家では、夫がITを専門としているので、ボイスアシスタントを使ったり、スマホに外付けするキーボードを買ってきてくれたりして、私の執筆をなんとか早められるようにサポートしてくれています。このように、自分の時間を確保するために、有効なツールに投資するのも一つです。目の前の仕事で手一杯になってしまうと、長期的な視野が狭くなる可能性もあるからです。

ただ、いきなりこれまでの生活リズムや仕事の仕方を変えることに大きな抵抗を感じるかもしれません。私も仕事をIT化させるのにかなり苦戦しており、その多くはいまだできていません。しかし、思い切って変えて慣れてしまえば本当に快適になり、より多くの時間を確保できるようになります。

現代は遊びの時代ともいわれています。AIなどのIT技術が進み、人がやらなければならない仕事は大きく減りつつあるからです。

シンガポールには宿題の出ない学校も多い

そんな中で、シンガポールのインターナショナルスクールの教育は遊び中心で、遊びやフィールドワークなどの経験の中からの学びに重きが置かれています。中学校までは宿題がない学校も多く、あまり勉強をしないということで日本人の親からすると心配になる場合もあるようです。


シンガポールの富裕層は、インターナショナルスクールやボーディングスクールの出身者も多く、日本人ほど「卓上の勉強」は得意ではありません。しかし、教養があって、特技を持った人が多い印象です。卓上の勉強という差し迫った課題に時間を取られてこなかったので、豊富な時間を生かして学生時代から何かに熱中して、一山当てたという人もいます。

旅好きな人からは、日本人でも知らないような日本のマニアックな場所まで旅をしてきた話を聞くことがあります。自分の行ったことのない国の話題になると、ついていけなくなってしまいます。異なる背景の人と仲よくなるには、語学以上に幅広い教養が重要だと反省させられます。

また、彼らの特徴として挙げられるのが、本気で遊び、遊びを通じて人と仲良くなることではないでしょうか。何家族かでクルーザーを借りて海に出かけることもありますが、50代の大人が、結構肌寒くなる夕方になっても、まだ子どもたちと一緒になって海で泳いでいる姿をたびたび見かけました。遊ぶときは年齢にかかわらず羽目を外すようです。また、パーティーでも朝まで飲んで踊るなど非常に体力があると感じます。

シンガポールでは、20代、30代など若くして金銭的に成功をしている人たちも多いです。彼らの中には、次は何をしようかと機会をうかがっている人もいます。学歴、職歴、年功序列などと関係なく、これまでの時間を上手に活用してきた人たちが新しい成功者となっているのです。

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