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ファミマ、「TOBは大失敗」でも焦らない事情


東京都立川市にあるファミリーマートとドン・キホーテの実験コラボ店舗(記者撮影)

「残念な結果だが、致し方ないというか、結果として受け止めるしかない」

東洋経済の取材に応じたユニー・ファミリーマートホールディングス(以下、ユニーファミマ)の郄柳浩二社長は1月15日、2018年12月中を目標にしていたドンキホーテホールディングス(以下、ドンキ)の持ち分法適用会社化がかなわなかったことについて、こう振り返った。

ユニーファミマは2018年10月、ドンキ株を最大20.17%取得して持ち分法適用会社とする方針を発表。2018年11月から12月にかけて、1株6600円でTOB(株式公開買い付け)を実施したが、目標予定数に大きく届かず、結果は0.02%の取得にとどまった。

目標株数未達は厳粛に受け止める

ドンキ株は2018年10月の買い付け発表後に大きく上昇し、買い付け最終日の12月19日の終値は7110円をつけていた。「われわれの評価と市場の評価が一致しなかったということに尽きる。われわれの思っていた値段で買えなかったのは事実なので、これはこれで厳粛に受け止めなければいけない」(郄柳社長)。


「(ドンキ株を買い進められなかったことは)厳粛に受け止めなければならない」と郄柳社長(撮影:梅谷秀司)

今後の方針については、「持ち分法適用会社化がいつになるか時期は明言しないが、計画自体は変えていない。市場の動きをじっくり見ながら考えたい。慌ててバタバタしなくてもよい」と語る。

あらためてTOBを実施するのか、市場内で買い付けるのかなど、具体的な手段については言及しなかった。

今回のTOBのきっかけは、ドンキ側にあった。同社は2018年8月に、40%の株式を保有していたGMS(総合スーパー)ユニー株を買い増し、完全子会社することをユニーファミマに提案。ユニーファミマはその見返りのような形でドンキ株を取得することで、ユニーの間接保有を狙った。

「ドン・キホーテとユニーの両方に“フック”をかけておきたいと考えた。コンビニに加えて、GMSとディスカウントストアという2つの業態を持ち、コンビニというひとつの業態だけに集中するより、複数業界を手掛けるほうがよい」(郄柳社長)。

今回、買い付けが失敗に終わっても郄柳社長が焦りを見せないのは、ドンキとの業務面での提携戦略には差し支えがないと判断しているからだ。「資本提携はいったんかなわなかったが、元々手掛けていた業務提携については今後も進めていく」と、郄柳社長は強調する。


2018年10月、ドンキ株のTOBなどを公表するユニー・8298マートホールディングスの郄柳浩二社長とドンキホーテホールディングスの大原孝治社長(右)(写真:今井康一)

GMSの運営ノウハウがないユニーファミマは、ユニー立て直しに難航していた。しかし、2017年11月にドンキがユニー株40%を取得し、6店舗を「MEGAドン・キホーテUNY」へと転換。天井まで商品を積み上げるなどドンキ流の店舗運営ノウハウを注入すると、2019年2月期上期(2018年3月〜8月期)の売上高は前年同期比190%、客数は同160%の伸びを見せた。

「ドンキ流経営」を取り込む

郄柳社長は今後、「芸風が違って面白い」と表現するドンキ流の経営手法をユニーファミマの経営の多方面で取り込む構えだ。現在、両社の間にはキャッシュレスなど金融サービスの構築やコンビニの活用方法といったテーマごとのプロジェクトチームがあり、各チームのメンバーは最低でも月に一度は集まる。経営者レベルでも、郄柳社長はドンキ創業者である安田隆夫氏や大原孝治社長と月1〜2回程度会い、経営の方向感などについて意見を交換している。

コンビニが目下直面している問題点として、郄柳社長は「若い顧客が意外と少ない」ことを挙げる。この点、化粧品などを訴求し、多くの若年層を呼び込むことができているドンキ流の運営ノウハウは何としても浸透させたいところだろう。

今回の買い付け失敗は業務面の協業関係には支障がない見通しとはいえ、ユニーファミマの中期経営計画への影響が気になるところだ。

同社が2017年に発表した中期経営計画では、2020年2月期に当期利益500億円を見込んでいた(2018年2月期の当期利益336億円)。今回、ユニー株を完全に手放す代わりに、ドンキの持ち分法適用会社化による利益が貢献するはずだったが、そのもくろみが外れた。


横浜市にあるドン・キホーテとユニーの共同店舗「MEGAドン・キホーテUNY」(記者撮影)

この中計の数値目標について、郄柳社長は「具体的な案件があるわけではないが、この1年半のうちにM&A(企業買収)などのチャンスもある。

2020年2月期の当期利益500億円の目標達成は問題ないだろう」と自信を見せる。

EC、ドラッグストアとの競争激化

小売り業界はこの先、EC(ネット通販)やドラッグストアなど、業界の垣根を越えた競争がいっそう激しくなる。

「現在の消費者は節約志向が強い。今後、小売業はモノの販売を強化するのも大事だが、金融面などのサービスを強くしないといけない。そのためには、ファミリーマート、ドンキ、ユニーなどの合従連衡による規模がないと顧客に訴求し続けることができない」(郄柳社長)。

ユニーファミマの親会社である伊藤忠商事を含めたファミリーマート、ドンキ、ユニーの「合従連衡」は、この荒波を乗り越えることができるのだろうか。

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