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生まれつき色素が薄いアルビノ当事者の苦しみ「カラーコードに合わないから‥」バイト・就職を断られるケースも

 色素が生まれつき少ないことで、髪や皮膚、瞳の色が薄くなってしまう遺伝子疾患「アルビノ」。およそ2万人に1人の発症率で、具体的な治療法はないという。

 海外ではその肉体が"人々に富を与える"と宗教的に考えられている地域もあり、国連独立専門家のイクポンウォサ・イロ氏が「臓器を摘出されたり切断されたりし、呪術に利用されている」という報告は衝撃を与えた。この10年間、アフリカ大陸の実に半数以上にのぼる28か国で、手足を切断されたり、殺害されたりするという事件が約700件も起こっているという。

 14日放送のAbemaTV『 AbemaPrime 』では、生まれつき人と"色"が違う、ただそれだけで偏見や差別に悩むアルビノ当事者を取材した。

 日本には6000人ほどの当事者がいると推計されているアルビノ。神原由佳さん(25)もそのひとりだ。きれいな金髪も染めているわけではなく、生まれつきの"地毛"だ。目は弱視で、視力は右目が0.2・左目が0.1。「眼鏡をかけても若干見えるようになるという程度。かけた方がマシっていう感じ。拡大したり、自分が近づいて調節したりして見る」。紫外線に弱いため、日常生活でもサングラスが欠かせず、それでも外を歩くと眩しさを感じるという。また皮膚を守るため、日焼け止めのほか、長袖を着る、日傘を差す、帽子をかぶる。

 幼少期は周囲との違いに気が付いていなかったというが、小学校低学年の時、鏡を見ながら自分の似顔絵を描く授業で使うクレヨンの色に悩み、現実が突き付けられたという。「自分がこういう外見なんだ、人とは違うんだっていうのを知るきっかけになった」。他人に"見られている"という感覚。「呼び止める声がして振り向くと、1年生くらいの男の子が"お姉ちゃん、どうしてそういう髪の色をしているの?"って。外見について誰かに面と向かって言われた経験がなくて、そのまま走って、保健室に泣きながら行った記憶がある」。

 幸いにも中学、高校ではいじめに遭うこともなく、平穏な学校生活を送ることができた。しかし大学生の時、改めて社会との距離を実感することになる。「できることならバイトしてみたかった。いくつか受けたが、"髪色を染めれば採れるけど、染めないなら採れない"、"店としては大丈夫なんだけど、入居しているショッピングセンターのカラーコードに合わないから採れない"と言われた」。

 履歴書を送るも、不採用の連続。ありのままの自分では働けないという現実は今も続く。昨秋、大学院を修了したものの、就職先は今も決まっていない。「髪を染めたら採用できるけど、染めなければ採用できないと言われた時に、"私はずっと染めないで生きていこう"と決めたので、"じゃあ結構だ"とこちらから断った。大学と大学院で社会福祉の勉強をしていたので、今後は大学でソーシャルワーカーとして、発達障害の学生さんなどの学習支援などを行っていきたい。すでに落ちちゃったところもあるが、これからも頑張って受けようかなと思っている」。

■"見た目問題"ではなく"見る目"問題

 日本におけるアルビノ当事者への偏見や差別として、保育園入園の際に「"弱視のため赤ちゃんを踏む可能性があるから"と断れられる」、小学校入学の際に「窓にフィルムを張る必要性から嫌がられる」などがあるという。神原さんのように、アルバイト、就職活動の際に「書類選考の先に進めない」「面接まで進んだ際、髪の色を指摘され断られる」「障害者に見られたい訳ではないのに、障害者の枠で働くしかないと薦められる」といった経験をする人もいるという。

 「当事者によっては視力の問題が深刻、という方もいらっしゃるのでケースバイケースだが、私にとってはやはり見た目の困難が大きい」という神原さんの話を受け、作家の乙武洋匡氏は「主な症状として髪の色、弱視、皮膚が日焼けしやすいという3つが挙げられているが、弱視は機能面で他の方よりもしんどい状況にある、日焼けしやすいというのも日常のケアが必要になるということがあるが、髪や肌の色はあくまで障害ではなく、ただの"違い"だ」と指摘する。

 「"見た目"が違うということで苦労を強いられるというのは、日本独特の同調圧力、同質性というキーワードの問題でもあると思う。教育現場でも、ちょっと地毛が茶色い子が"黒く染めなさい"と言われてしまう。欧米でも弱視を理由に採用を断れられてしまうことはあるかもしれないが、"見た目が"とか、"カラーコードに引っかかる"という理由は考えづらいと思う。ゆくゆくは、こうした問題をアルビノの問題として捉えるのではなく、ただ視覚障害の問題があるだけで、あとは見た目が違うだけだよね、と捉えられる世の中にしていかなきゃいけない」。

 そうした"見た目問題"の解決を目指し活動しているNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」の外川浩子代表は「アルビノ当事者は髪の毛も白くてきれいだし、カラフルな色の服を着てもすごく似合うので、"きれいでいいじゃん"と言われることがすごく多い。逆に言うと、何に困っているのか理解されにくい」と話す。神原さんも、「すごく褒めて下さる方もいて嬉しいが、人と違う見た目で悩んでいた時期もあるので、ちょっと複雑なところもある。みんな同じになりたいと思ったこともある」と振り返った。

 ノンフィクションライターの石戸諭氏は「この問題の当事者って誰なんだ、という話だと思う。本人が変えられないものを変えろと言うのは明らかにおかしい。"見た目問題"というが、僕らの"見る目"問題でしょう」と訴える。

 「アメリカで、ドラァグクイーンやゲイのいるバーを警察官が迫害したことに対して当事者が暴動を起こした事件があった。2019年はそれから50年のメモリアルイヤー。つまり、ほんの50年前までは見た目が違うというだけで迫害していいとか、暴力を奮ってもいいという時代だった。だから社会がいい方向に変わってきていると言えるし、大事なことは、見た目などは社会の側の変化によって変わっちゃうし、変えられるということ継続的に、声を上げている人を取り上げていくことが大事だ」。

 外川氏も「町で初めて会ったときはびっくりすると思うが、今、こうして見てくれている人は2回目になると思うので、次に街で会ってもびっくりはしないと思う。そうやって目にする機会が増えれば、皆さんが驚いたりすることもなくなると思う。特別な扱いじゃなくて、共存しているというイメージを持ってくれたらいいんじゃないかと思う」と語っていた。

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