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50代以下の公務員こそ老後が結構心配な理由


これまで安定している職業として人気だった公務員。50代から下の人はお金のことをしっかり考えないといけない。では現役世代は将来を見据えて何をすべきなのか(写真:kikuo / PIXTA)

50代になると、サラリーマンは管理職などのポストにつき忙しい日々を送っている人もいれば、時間ができる人もいます。共通するのは、この世代は日々の忙しさから、自分のことよりも仕事のことを優先してしまいがちだということです。

数年後に定年退職を控える国家公務員の佐藤さん(仮名)は、退職後は専業主婦の奥様と一緒に船で世界一周旅行に行く予定です。定年延長はせず、ときどき旅行をしてセカンドステージを楽しみたいということでした。

元気なときに、好きなことを実践するのはとてもよいことです。しかし、やりたい放題で果たして大丈夫でしょうか。かつてより長くなった老後を楽しむためには、その分、資金が必要になってきます。老後を楽しみたいと思っている皆さんは、老後の資金は大丈夫でしょうか。そこで、今回は50代後半でも今からできることを探っていきましょう。

公務員も退職金や年金の減額で、もはや安泰ではない

佐藤さんには、お子さんが3人います。現在、1人が社会人になり、家を出て一安心したところです。大学生3年生と高校2年生の2人の学費が、まだしばらくかかります。子供の学費、および生活費のすべては、佐藤さんの収入でやりくりしています。貯金は1000万円ほどです。無駄遣いしているわけではありませんが、老後資金は「退職金もあるし、なんとかなるだろう」と考えていました。

公務員はこれまで、安定した収入と手厚い退職金や年金が魅力でしたが、いまでは、「社会保障・税一体改革」により、退職金は約400万円減額されました。また、2015年10月から共済年金が厚生年金に統合されています。これにより、特権だった職域加算部分がなくなり、掛金を負担していく形で創設された年金払い退職給付が、厚生年金にプラスされる形です。この年金払い退職給付は、半分が定期年金、半分が終身年金になっていて、長生きすると減っていきます。

また、定期年金は、本人が早く亡くなった場合、遺族一時金として支払われますが、終身年金部分はその時点でストップします。遺族年金は、厚生年金部分から計算されます。以前の職域部分も遺族年金にプラスされる共済年金の方より、もらえる額は少なくなる計算です。

”逃げ切り世代”の先輩からの話だけで将来を考えると、資金不足になる可能性が高いのです。

現役のときは毎月決まった収入があるので、将来を不安に感じない方も多いようですが、60歳で退職し再雇用されない場合は、事前に簡単にシミュレーションしてみるとよいかもしれません。

佐藤さんのように国家公務員の方なら、国家公務員共済組合連合会KKRから「ねんきん定期便」が届いているはずです。50歳になってから送られてくる金額は、そのまま60歳まで働いた場合の計算で送られてきます。

1961年(昭和36年)4月2日以後に生まれた方は、公務員の場合、年金の受給は男女とも65歳からとなっています。1963年(昭和38年)生まれの佐藤さんも、65歳からの受け取りです。そのため、退職後の5年間は収入がなくなります。お子様の教育費は別に確保しているとのことでしたが、現在の生活費が毎月30万円ほどです。それだけでも、5年で1800万円が出ていく計算です。退職金は2300万円ほどの予定ですから、そこから生活費を差し引くと、500万円が残ります。

世界1周旅行はプランによって金額はさまざまですが、佐藤さんが予定しているのは、2人で約250万円だそうです。このように、5年間の生活費と世界旅行で、退職金のほとんどがなくなってしまうことになります。

そして、65歳からの年金額は、年間230万円ほどです。それに妻の国民年金78万円をプラスすると、308万円になります。毎月25.6万円が入ってくる計算です。佐藤さんは2人だけの生活なら、なんとかなりそうだと考えていました。もらえる年金の中から、旅行を楽しみたいと考えています。

財政悪化で、年金減額や支給開始先送りの懸念も

ただ、ねんきん定期便の金額は、見込み額です。今後、社会保障改革の中で、受給額の減額変更や支給開始年齢の先送りなど、予定外のことが起こりうる事態も十分考慮する必要があります。国の財政状況や少子高齢化を鑑みれば、当然、そうしたことも頭に入れておいたほうがいいでしょう。人生100年時代に向けての変化に注意を向けていきたいところです。

では、老後の簡単なシミュレーションをしていきましょう。余裕をもって、100歳まで生きると仮定しています。皆さんも、下記のそれぞれの項目に自分を当てはめてください。現時点でわからないところは、だいたいで構いません。

1. 年金と収入(不動産収入・配当金など)から生活費をまかなえますか

不足する場合は不足金額を計算します。
仮に、毎月5万円不足なら100歳までにいくら不足するかを計算します。
5万円×35年(65歳から100歳までの年数)=2100万円
生活費不足金額=◯◯◯

2. 趣味、イベント費用を見積もります

旅行資金500万円、住宅修繕費500万円、結婚援助金300万円、車関連費300万円など、見込まれる費用の合計を出します。
見込み支出金額=◯◯◯

3. 資産状況を把握しましょう

65歳時点でいくらあるか、合計額を概算計算します。
退職金2300万円 貯蓄合計1500万円など。
60歳から働いた場合と働かなかった場合の金額を計算してみましょう。
資産額=◯◯◯

4. 結局いくら足りないのか

1+2<3 になっていればリタイア後の資金は足りることになります。
3-(1+2)=準備しておきたい金額です。
準備しておく額=◯◯◯

佐藤さんは65歳の時点で、すでに子供たちは独立しているため、なんとか年金だけでやっていけそうです。ただし、60歳からの5年間は無収入になり、退職金のほぼ全額を使ってしまうことになるため、そこに少し不安を感じているとのことでした。

もちろん60歳から仕事を続けることもできます。50代なら、考慮に入れておきたい1つが、定年退職後も仕事をすることです。再雇用では同じ仕事でも、給与は約7割に減額されますが、そうすることで老後の不安もなくなるため、再雇用も検討することにしました。現在議論されている国家公務員の定年延長案でいけば、佐藤さんの退職は61歳になるかもしれません。この1年間だけでも、使うだけの生活と、収入がある生活では大きな差が出るでしょう。

iDeCoにたくさんの公務員が加入し出した事情

佐藤さんは60歳以降も働くことも検討していきますが、今できることはやっておきたいと考えています。実際、長年にわたって共済年金を掛けてきました。過去の分はそのまま計算されますが、2015年(平成27年)10月以降の分から厚生年金になります。もっと若い20代30代の公務員の方は先輩たちが享受した上乗せ分が少なくなるので、老後に対する不安も大きいと思います。しかし、その分、先輩たちにはなかったお得な制度も生まれています。それは何でしょうか。

iDeCo(個人型確定拠出年金)です。2017年1月からスタートしたiDeCoに、公務員と専業主婦が新たに加入できることになりました。公務員であっても将来どうなるかわかリません。そこで、公務員も老後資金を自らで準備したほうがいいということで、国が法律を変えました。

2018年(平成30年)8月現在のデータでは、iDeCoスタート前には30万人ほどだった加入者が、1年半ほどで100万人を突破しています。なかでも、公務員が20万人と全体の5分の1を占めるほどに拡大しているのです。

iDeCoは、自らの資金で積み立てる年金制度です。職業によって毎月の掛け金が変わってきます。そして、掛け金のすべてが所得税、住民税から控除されます。つまり、掛け金分が節税になるのです。さらに、毎月積み立てる掛け金は、定期預金に入れられるほか、投資信託を定期購入することもできます。もし、iDeCoで運用している投資信託に運用益が発生した場合、通常、株や投資信託の運用益に課税される20%ほどの税金はかかりません。簡単な説明ですが、とにかく、やらないのはもったいないお得な制度なのです。

専業主婦は、預金するならiDeCoに加入すべき

佐藤さんはiDeCoのことを知っていましたが、まだ始めていませんでした。これから始めると毎月の掛け金は1万2000円で、5年間の積み立てで元本は72万円になります。月1万2000円なら、1日400円なので負担なくできそうです。佐藤さんの場合、所得税率20%と住民税10%と合わせて還付される税金は、5年で21万6000円です。積み立ては60歳までという期限付きですから、1日も早くスタートするとよいでしょう。

そして、専業主婦の妻もiDeCoに加入できます。毎月の掛け金は2万3000円の枠が用意されています。夫婦で加入すれば、運用益非課税を2人で受けられるのです。

運用益非課税という点では、つみたてNISA(少額投資非課税制度)も活用できます。つみたてNISAは年金ではありませんが、運用の仕組みはiDeCoとほぼ同じです。佐藤さんは、旅行資金としてつみたてNISAを始めることにしました。年間の掛け金の上限である40万円をかける予定です。旅行という目的が決まっているので、モチベーションが確実に高まります。

このようにiDeCo、つみたてNISAも、50代の人は今すぐ始めるべきことの1つです。かつては将来が安泰と言われた公務員ですが、状況は確実に変わってきています。少子高齢化、長寿の時代に老後も楽しく過ごすためには、うかうかしていられません。まずは、佐藤さんのように、簡単にシミュレーションすることをお勧めします。

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