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社内政治に弱い人がわかってない6つの能力


平和利用に限定して使うのが望ましいです(写真:XiXinXing/iStock)

英会話、ドキュメントスキル、プレゼンスキル、プロジェクトマネジメントスキル、経営戦略、ビジネスモデル……。

それら、さまざまなスキルを身に付ければ「一流のビジネスパーソン」に近づくはずです。ただし、「論理的に考えれば」の話です。

ビジネス書で学んだスキルは権力者の前では役立たない

きれいなドキュメントをつくり、見栄えのよいプレゼンテーションを行ったとしても、ましてそれが斬新な企画であり、または正論であっても、社長や社長に近い有力役員の「俺の経営哲学では……」の一言で、あっさり敗北することは往々にしてあります。権力者や、声がデカイ人の前では、はっきり言ってビジネス書で学んだスキルなど価値をなさないのかもしれません。

まさか、これを読んでいるあなたが、こうした「事実」をただの理不尽、不条理と受け止めるなんてことはないだろう、と願っています。

「不平等だ!」「私の能力をきちんと評価しろ!」と文句を言ったところで、先生やお母さんのように面倒を見てはくれません。

「そういうものだ」という前提があることを受け入れられる人が本物のビジネスパーソン、いえ、「大人」というものでしょう。

そのうえで、正攻法とは違う戦略を考えなければなりません。これまで習得してきたビジネススキルを生かすも殺すもこの戦略にかかっています。

時に手段を選ばず、強引に活用する6つの社内政治力

拙著『社内政治力』でも解説していますが、社内政治を進めていくには6つの能力を理解しておく必要があります。

社内調整力:関係部門に反対されず、協力してもらえる力
部下掌握力:部下が自分の思うように動く力
上司懐柔力:上司との関係を良好に保ち、支援してもらえる力
社内人脈力:社内に敵を少なくし(味方を多くし)、支援してもらえる力
権力操り力:社内・社外権力者との関係を強くし、話を通すことができる力
社外人脈力:社外での活動力、社外人脈を持つことで、社内発言力を強める力

論理的思考や文章力、プレゼン力などは人を動かす力のベースになるので、しっかり身に付ける必要がありますが、それらだけでは不十分です。

◎何が何でも部下に言うことを聞かせる
◎必ず上司に自分を認めさせる
◎周囲に圧倒的に自分の力を認めさせる

このように手段を選ばず、使える手は何でも使い、多少荒っぽくても人を動かすようなものが必要になります。つまり、「権謀術数」とも言うべきものです。一般にはダーティかつ冷たい印象が強いこの言葉と「社内政治」は切っても切れない関係にあります。それが社内政治を「腹黒い」などと忌避させる最大の原因にもなっています。

しかし、自分の利益はもちろん、チームの利益のため、さらにそれが会社の利益のためになるのであれば、否定されるべきものではないはずです。

また、自分を陥れようとする勢力に対して、純粋無垢な「正義」、理想論だけで対抗するのは心もとないはずです。一般のビジネススキルとともに、そうした社内政治力をバランスよく身に付ける必要があるのです。

社内政治力を発揮するための5つの作戦とは?

では、この6つの社内政治力を発揮するためには、具体的に何をすればいいのでしょうか? それは、次の5つの作戦を使うのです。応用したり、組み合わせたりすることで、社内政治力は格段に向上します。

その基礎は、戦国時代の戦いを参考にしていますが、現代の組織においても十分通用するものです。

◎同盟作戦:多数派工作

利害が対立する相手の思うように進まないよう、社内の主要部門のキーパーソンを味方にして、対立相手の仕事に簡単に協力しないように連携して行動する作戦。

◎諜報作戦:情報を使っての誘導

対立相手のダーティさ、ずるさ、自己保身などのネガティブ情報のうわさを社内に意図的に流す。これにより、対立相手の評判を下げ、無力化する。また、相手のNOという立場をYESに誘導するための情報を意図的に流す作戦。

◎囲み攻め:会議において数で押す

相手を数で圧倒する攻め方。自分の社内人脈、利害が一致する他部門のキーパーソンを仲間にし、自分サイドは複数、相手は単独になるように会議を設定し、自分の意見に同意してもらい、相手を多数の力で圧倒する手法。味方がなく、他部門に囲まれた相手は反論し続けることが難しくなる。

◎兵糧攻め:相手のリソース供給停止

相手が何かをする際に必要とする資源(金=経理部門、人=人事部門)の供給先と共同し、金や人、その他の経営資源の供給を止める、または減少させる手法。リソース供給が滞った相手は動くことが難しくなる。

◎水攻め:権力者から高い圧力を加える

会社の権力者(社長、役員)などから命令してもらって相手を動かす。最も破壊力が高いので水攻めと呼ぶ。対立を解消する力は抜群だが、何度も使うと相手から恨まれ社内で嫌われて、そのうち返り討ちにあうので多用はすすめない。

社内政治においては、相手によって「動かす」のが簡単だったり、難しかったりすることを理解する必要があります。命令権がある自分の部下を動かすのは簡単ですが、命令権がない人や上司、上長、取引先などの立場の強い人を動かすのは容易ではありません。

たとえば、部下を信用していない、自分の思う通りにしか進めたくない上司を納得させるには、部下が単独で説明してもダメです。この場合は、上司と部下だけでなく、先輩、上司との関係が強い上長、関係部門などのキーパーソンを絡ませ、事前に大義名分をつくり、上司を納得させる方法を一緒に考える集団戦に持ち込みます(囲み攻め)。

私は、この方法をよく使っていました。自分が上司を説得する場合には、関係者を集め、自分のアイデアに同調してもらったり、あえて戦略的に反論してもらったり、その反論に自分が完璧に答えるなどの演出を行い、上司に独善的な判断をさせないようにしていました。

評価を独り占めしていたダメ上司を無力化する方法

世の中も会社の中もいい人ばかりではありません。自分の成果だけを考えている上司、上長、自分だけ守られていればよいと思う部下や、保身のために何も協力してくれない他部門の担当者もいるでしょう。

特に上を目指して、自分の成果を追求するような人間は、仕事の成功を自分の手柄にして、失敗を他人に押し付けるようなことも、ときに起こします。

このようなことは、確かにひどいことと思うかもしれません。

しかし、それぞれ個人の事情があり、彼ら、彼女らなりの正義や大義があるのかもしれません。もちろん、パワハラとしてコンプライアンス上問題になる行為は断固排除されなければなりませんが、社会や会社が利益を得ながら活動していく組織体である以上、成果を誰が取り、失敗の責任を誰に持たせるかはあいまいにできない問題であることも事実です。社会も会社もきれい事だけしかない「無菌室」ではないのです。

社会や会社が無菌室でなく、一定の菌がいて、自分に害を与える環境であることを嘆いても仕方がありません。そうではなく、自分に害を与える環境であることを受け入れ、菌に害されない防御策を考えるべきなのです。自組織や部下、自分に害が及ばないようにしていくことが必要です。

ある会社に困った上司がいました。この上司は配下の複数の部下にいろいろ調査をさせて、経営層にとって価値のある情報(売れ筋の商品やサービス情報)を集め、経営層にメールで報告していました。

しかし、この上司は部下に感謝もせず、あたかも自分自身が収集した情報であるかのように経営層に説明していました。これを知った部下は皆怒り、落胆しましたが、上司に苦情を言うことも難しく、また、経営層に直談判することも上司の怒りを買うので得策ではないと考えました。

それでも、このままでは仕事のモチベーションが下がると思った部下の1人である黒沢氏(仮名)は一計を案じました。社内提案制度を利用し、「中堅、若手社員の情報収集力強化制度」として、中堅、若手の社員が社内全体で情報を共有する制度をつくったのです。

その結果、上司が経営層に情報メールを出す価値が薄れ、しばらくして上司は部下に情報収集を命じることがなくなりました。

これは、上司の評価の基となる情報価値を無価値化する方法です。

上司は情報を経営層に回すことで評価を得たかったのですから、その情報価値を無価値化することで、上司が良い評価を独り占めすることができなくなりました。「兵糧攻め」の一例といえるでしょう。

部下を苦しめる上司に正論で「やめてくれませんか」と言っても問題は解決しません。そのような上司には社内政治力を駆使してやめさせなければならないのです。

社内政治力は平和利用限定に

最後に注意点を1つ。社内政治力は、あくまで仕事の自由度を高め、効率的な仕事を進めるための手段として使うのが望ましいと思います。

一般に自分のために社内政治力を使う人を、人は忌み嫌う傾向があります。社内政治力を使う人は、仕事が成功しているうちはいいですが、少しでも仕事がうまくいかないと一斉に周囲から攻撃されて評判が落ちることが多々あります。


「あの人はダークな仕事をするからこうなったんだ。自業自得だな」

「前からあの人はダークな面があったのでしょうがない」

「人を陥れているから、このような目にあう」

などです。

そのような目にあわないためにも、社内政治力は平和利用に限定し、自分の仕事を前に進めるため、周囲の人の窮地を救うため、会社のため、世のため人のための大義を持って使うようにするといいでしょう(そうすれば、たとえ仕事がうまくいかないときでも、周囲から陰口を叩かれるようなことはなく、逆に周囲の人から助けてもらえるようになります)。

それこそが社内政治家、いえ、社内に限らず「政治家」としてのあるべき姿といえるのです。

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