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【歳川 隆雄】安倍官邸が頭を抱える「大幅改造人事」の中身 代えるに代えられない人もいて…

3選自体は予想通りだが、安倍首相の周辺では投票結果に「衝撃」が走ったという(Photo by GettyImages)

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表向きは平静な安倍官邸に走った「衝撃」

安倍晋三首相は9月20日に行われた自民党総裁選で連続3選を果たした。安倍首相は国会議員票329票(82%)、地方票224票(55%)、トータルで553票(69%)を獲得、石破茂元幹事長が国会議員票73票(18%)、地方票181票(45%)、トータルで254票(31%)を獲得した。

3選自体は予想通りだが、安倍首相の周辺では投票結果に「衝撃」が走ったという(Photo by GettyImages)

翌日21日の新聞各紙の1面のタテ見出しが興味深い。各紙の大見出しの「安倍首相3選」を除くと、以下の通りである。

「朝日新聞」:<石破氏善戦 地方票の45%――「圧勝」できず政権運営に影>
「毎日新聞」:<石破氏善戦 党員票45%――議員票も20上積み>
「読売新聞」:<得票69% 石破氏破る――憲法改正、改めて意欲>
「産経新聞」:<麻生・菅・二階氏留任へ――1日改造 河野・茂木・世耕氏も>
「日本経済新聞」:<任期3年「改憲に意欲」――553票獲得、石破氏は254票>

これまでの各紙の安倍首相(政権)に対するスタンス(論調)の違いがきちんと反映されている。

石破氏が総裁選前の予想を超えた地方票を獲得したことについても、「毎日」は2面に<改憲前進 思惑外れ――与党内も冷ややか>、3面では<「圧勝逃す」首相誤算――選挙の顔に不安再燃>、そして「朝日」も2面で<首相 崩れた「圧勝」――目標下回る地方票「反乱だ」>など、厳しい見出しを掲げている。

一方、「読売」と「日経」を見ると、前者は3面に<首相、課題残す「圧勝」――党員票55%地方取りこぼしも>、後者も2面に<石破氏 目標超す地方票――44.7%獲得、ポスト安倍に芽残す、政権批判の受け皿>の見出しであった。

このように各紙を比較検証すると、石破元幹事長は想像外の健闘を示したことが、あらためて分かる。すなわち、石破氏は安倍氏に完膚なきまでに打ち破られるのを阻止したことから、ポスト安倍の一角に踏みとどまることができたと言っていい。

ポスト安倍への可能性を残した石破氏(Photo by GettyImages)

だからこそ、投開票の結果が判明した20日午後2時半ごろの安倍官邸は動揺を隠せなかったというのだ。その後、安倍首相自身を含め側近グループは平静を装っているが、早くも10月1日に予定される内閣改造・党役員人事に頭を悩ましている。

安倍氏の文字通りの圧勝であれば、内閣改造・党役員人事は小幅なものとなると見られていた。だが、これほど石破氏善戦が際立ったことによって、逆に安倍氏3選の論功行賞をやらざるを得なくなり、大幅人事となる。

「一本釣り」で距離を取った派閥を牽制

第4派閥の岸田派(宏池会・48人)は国会議員票で派内から5人前後の石破氏支持の落ちこぼれを出したうえに、党内からそもそも岸田文雄政調会長の安倍支持表明が遅すぎたとの声が上がっていることから人事で冷遇される可能性が高い。

具体的には、岸田氏が政調会長から総務会長に横スベリさせられ、安倍陣営の選対責任者を務めた甘利明元経済再生相が後任の政調会長に就くとの見方が支配的である。総務会長への横スベリすらないとの指摘も少なくない。

それだけではない。岸田氏の側近であり、派内の政策ブレーンである財務省OBの木原誠二政調副会長が官房副長官として安倍官邸に一本釣りされる可能性が高い。菅義偉官房長官が同氏を高く評価、安倍首相に進言しているとされる。

処遇という点で言えば、よもや石破氏を主要閣僚や党執行部中枢で処遇するわけにもいかないので、やはり石破派(水月会・20人)からの一本釣りも十分考えられる。同派重鎮の鴨下一郎元環境相を復興相などで起用するのではないか。もちろん、同派分断狙いである。

「代えにくい」ポストにも頭を悩ませ…

難しいのは新内閣の清新さを打ち出すのに必要な女性と若手の抜擢だ。初入閣者の場合の絶対条件は大臣答弁である。党内を見回しても、小渕優子元経済産業相と片山さつき政調会長代理の2人しかいない。初入閣では柴山昌彦総裁特別補佐が当確ではないか。

閣僚経験がない当選8回の岩屋毅元外務副大臣は、領袖の麻生太郎副総理・財務相が強力に入閣を推すのは間違いない。ただし、防衛問題のプロである同氏は防衛相を希望するだろうが、現職の小野寺五典防衛相は国内外で高い評価を得ており、政策の継続性から安倍首相も代え難い。

ことほど左様に、今回の人事は悩ましいというよりも難しいのだ。他にもある。石破氏支持を表明して辞任圧力を受けた斎藤健農林水産相を更迭するとパワハラを容認したとの批判が再燃する。投開票の直前に石破氏支持を打ち出した小泉進次郎筆頭副幹事長を代えると、来年4月の統一地方選と7月の参院選で戦力ダウンになる。

小泉進次郎氏は結局、石破氏に一票を投じた(Photo by GettyImages)

今は26日午後の日米首脳会談のことで頭が一杯の安倍首相も月末までに人事構想を仕上げなければならない。やはり冷静を装っていても気が気でないはずだ。

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