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「エクストレイル」が意外と売れ続ける理由


発売当初、ガラリと変わったイメージにファンの不満もあったが…(写真:日産自動車ニュースルーム)

日産自動車のミドルサイズSUV「エクストレイル」が堅調な売れ行きを見せている。

日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた今年1〜6月(上期)の乗用車ブランド通称名別ランキングで、エクストレイルは前年同月比ほぼ横ばいの2万9518台を売り、18位に付けた。SUVとしてはトヨタ自動車「C-HR」(同11位)、ホンダ「ヴェゼル」(同14位)に続く3番手で、街でよく見かける印象のあるトヨタ「ハリアー」(同22位)、マツダ「CX-5」(同27位)の上を行く。


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日産車としてはコンパクトカー「ノート」(同1位)、ミニバン「セレナ」(4位)に次いで3番目に多く売れている車種だ。月間平均に直すと約4900台。3代目に当たる現行エクストレイルは2013年12月に登場しており、発売から5年目のモデルながら今年8月末に新型に切り替わったばかりのホンダのミドルサイズSUV「CR-V」の月間販売目標1200台を大きく上回る実績を残している。

エクストレイルは今年1月単月にヴェゼルを上回ったこともあった。なおかつ、4輪駆動のSUVという枠組みでは、2018年上期1位にもなっている。

エクストレイルが根強く人気を保っている理由

現行エクストレイルは今年6月に、同一車線自動運転技術「プロパイロット」搭載のほか、外観デザインを変更するなど、一部改良を施した。パワートレーンはガソリンエンジンとハイブリッド(ガソリンエンジン+モーター)の2タイプで構成している。

現行のエクストレイルが登場した当初、従来1〜2代目のオフロード志向、直線的なデザインを一新。乗用車としての性格を強め、曲線的なデザインを採用したことに、ファンの間では驚きや波紋もあった。その変身は成功したといえよう。それにしても、ここまで根強く人気を保っている理由は何か。エクストレイルの歴史を振り返りつつ、検証してみよう。

エクストレイルは、2000年に初代が登場したSUVで、200万円で手に入る4輪駆動車という触れ込みで人気を博した。当時の競合は、トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」である。

技術面で、エクストレイルが誇ったのは、センターデファレンシャルは持たないものの、「スカイラインGT‐R」の方式を基にした湿式多板クラッチ式の4輪駆動で、ビスカスカップリングを用いる方式に比べ、より本格的に4輪駆動を発揮させる機能的強みを持っていた。湿式多板クラッチをしっかり締結することにより、センターデファレンシャルをロックしたように駆動力を前後50対50で配分し、4輪で確実に前進させる能力を持つ。本格派と言っていい4輪駆動制御を行えるのが特徴だ。

それに対しビスカスカップリングを用いる場合は、タイヤの滑りに応じてビスカスカップリング内の粘性により駆動力配分を行いはするが、路面の如何を問わずクルマを前進させ、万一の際には脱出力を発揮させるほどの駆動力は得にくい面がある。雪道や滑りやすい路面での操縦性安定の確保はできるが、悪路を走破するには非力な場合がある。

廉価で身近なSUVとはいえ、エクストレイルの魅力の1つはそうした本格的走破性にある。それが、歴代を通じて変わらないエクストレイルの特徴だ。

極限的にスポーツを楽しむ人に的を絞ったSUV

もう1つは、SUVを使う側の思いに配慮した装備や機能を備える点である。

まず、初代からエクストレイルは防水シート仕様を用意している。これは、前後の座席も荷室も、泥に汚れたり水に濡れたりしたまま、座ったり物を置いたりできる気安さがある。

エクストレイルが誕生する少し前の1990年代後半から、アメリカを中心にXゲームが注目を集めるようになった。BMXやスノーボードなど、それまでなかった数々のエクストリームスポーツが若者の人気となり、そうしたXゲームを楽しみたい人たちのギア(道具)の1つに含まれるクルマとして、エクストレイルは企画された。

したがって単にスポーツ多目的車という広い意味のSUVではなく、より活動的に、また極限的にスポーツを楽しむ人に的を絞ったSUVとしてエクストレイルは登場したのである。

道具であるのだから、実用的で使いやすく、車体を傷つけないかなど扱いを気にせず利用できることを重視した。それが、防水シート/防水フロア/防水ラゲッジボードであり、また、車体外観を多少傷つけても復元性のあるスクラッチシールド塗装の採用である。

本格的な4輪駆動によって、遊びの現場まで入り込むことができ、途中に狭い道があっても立木の枝などで傷つくことを気にせず前進でき、なおかつ、遊んだ後の汚れを気にせず乗り込み、着替えたり、帰路についたりできる。まさに、クルマを道具として使いつくすことのできるのがエクストレイルである。

ことに初代は、ギア(道具)に徹したことを外観にも見せ、武骨な四角い造形であった。2世代目もそれを踏襲した姿であり、3世代目の現行車では一転して丸みを帯びた形となったが、これは、日産の都合で、欧州で販売されているキャシュカイ(国内名デュアリス)と共通化したためである。

それでも、エクストレイルは初代からのギア(道具)としての使い勝手は変えていない。

唯一無二といえる存在

一方、多くのSUVは、都会で日常的に使われることを優先する傾向に流れている。そうしたSUVは、見た目や印象で選ばれることが多いだろうが、エクストレイルはほかに選択肢のない特徴を備える。そこが、安定して販売台数を維持できている理由ではないか。

さらに、従来はエンジン車のみであったのが、ハイブリッド車(HV)も現行車では追加された。これにより、JC08モード燃費がリッターあたり20km台にのる。

三菱自動車「アウトランダー」や、SUBARU(スバル)「フォレスター」など、4輪駆動技術に優れるSUVは競合としてあるが、ギア(道具)に徹する点で、エクストレイルは唯一無二といえる存在だ。

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