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自分の子供は大学に行かせようとするヤクザが増えている

ジャーナリストの溝口敦氏

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 日大のアメフト悪質タックル問題、東京医科大の裏口入学など、大学の抱える闇が次々に明るみに出ている。その最大タブーが、ヤクザの存在である。ヤクザにも学閥や学歴のつながりはあるのか。暴力団取材のスペシャリストであるジャーナリストの溝口敦氏とフリーライターの鈴木智彦氏の2人が語る。

溝口:大学出のヤクザは少ないけども、そのなかでの学閥のようなものはやはり出来上がる。国士舘出身者を集めた同窓会を開く組長を知っています。

鈴木:私は慶應出身のヤクザに会ったことがあります。親分が「こいつ慶應出なんだよ」って、嬉しくてみんなに自慢していた(笑い)。1年経たずにいなくなったけど。やっぱり、学がないほうが偉い、少年院行ったほうが偉い、少年院の中でも特少のほうが偉いという“逆学歴社会”では生き残れなかったのかな。

溝口:世間とは逆で、大卒は出世できないとされている。良くて二次団体の幹部で頭打ちですから。

鈴木:一方で、子供を大学に行かせようとするヤクザは増えている。表では絶対に「勉強しろ」なんて言わないけど、姐さんが教育ママになってたりするヤクザは多い。

溝口:いまだと、半分くらいは子供を大学に行かせたいんじゃないかな。ヤクザになってもいいことがない以上、子供に大学は出させたいのでしょう。

鈴木:10年近く前まではヤクザは世襲が多かった。楽して儲かる仕事だったから。特にバブルのころは顕著でした。だけど、いまは儲からないし、先も見えない。だから、「自分の息子はヤクザにしない」というのが当世ヤクザの正しい思考回路ですよ。

溝口:もっとも、勉強ができないと結局、ヤクザになってしまう。そっちのほうが入りやすいからね。山一抗争のときに、ある幹部の家に行ったら、大学在学中の息子がいて就職先が見つからず困っていた。

鈴木:テレビでドンパチの様子が連日放送されていたわけですしね。親が当事者の組の幹部となれば就職は厳しい。

溝口:当時ですら親兄弟がヤクザだと就職に障っていたわけで、暴排条例も施行されたいまはなおさらです。建前上は差別してはいけないことになっていても、やはりヤクザの子供が一流企業に就職するケースは珍しい。

鈴木:昨年、京都府立医科大学が、六代目山口組直参である淡海一家・高山義友希総長が拘禁を逃れるためにウソの診断書を提出していたとして、京都府警から虚偽有印公文書作成の疑いで強制捜査を受けましたが、大学出で六代目山口組の直参まで上りつめたのは高山総長くらいでしょう。

溝口:高山総長は京都という土地では今でも名士ですからね。彼のオヤジも有名なヤクザですが、息子には「ヤクザになるな」と言っていて、高山総長は東海大学を卒業して地銀に勤めていた。それがオヤジの死後に弘道会の舎弟になって、すぐに直参に取り立てられた。

鈴木:高山総長のようなケースは例外ですよね。それも京都という土地柄だからあり得たこと。その高山総長にしても、結局はヤクザになったわけですから。

溝口:大学とヤクザの接点は、そういうところになっていくのかもしれませんね。

●みぞぐち・あつし/1942年東京浅草生まれ。早稲田大学政経学部卒。『食肉の帝王』で講談社ノンフィクション大賞を受賞。『山口組三国志 織田絆誠という男』(講談社)など著書多数。

●すずき・ともひこ/1966年北海道札幌生まれ。『実話時代』の編集を経てフリーライターへ。『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文春新書)など著書多数。

※週刊ポスト2018年8月17・24日号

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