戻る


東大生が感動した「東大で使う教科書」3選


「専門課程は3年生から」という東大独特のしくみが、「教科書が面白い」の背景にあるといいます(撮影:梅谷秀司)

「勉強しているはずなのに、成績が上がらない」「どれだけ本を読んでも身につかない」
受験生に限らず、勉強熱心なビジネスパーソンでも、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
「かつての僕は、まさにそうでした」。2浪、偏差値35という崖っぷちから1年で奇跡の東大合格を果たした西岡壱誠氏は、自らの経験を振り返って言います。「でも、ちょっとした工夫で、劇的に改善したんです」。
教科書、参考書だけでなく、あらゆる本の読み方を根本から変えた結果たどり着いた、「知識を増やすだけでなく『地頭力』も高められる」「速く読めて、内容も忘れず、かつ応用できる」という読書法を、新刊『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』にまとめた西岡氏に、東大の授業で指定された「3冊の最強の教科書」と、その効果的な「読み方」を紹介してもらいます。

東大の教科書が「誰が読んでも面白い」わけ

「東大の授業は、いったいどんな本を教科書として使うんだろう?」

僕は東大に入る前の浪人時代、こんなことを疑問に思っていました。「やっぱり難しい本? それとも知的に面白い本? 気になるなぁ」と。みなさんも気になりませんか?


実は東大は特殊なシステムになっています。大学1・2年生の間は「教養学部」といって、さまざまなジャンル・さまざまな学問分野の「さわり」の部分を勉強するのです。

法学部に行く人も経済学を勉強しますし、医学部に行く人も政治学を勉強します。なので、教科書自体の難易度はそこまで高くなく、本当に軽めに「まったくその分野に興味がなかった人でも読める」レベルの本が多いんです(もちろん、なかには「うわ、難しい!!」という本もありますが……笑)。

そんな教科書のジャンルは、本当に多岐にわたります。文学の教科書・生物学の教科書・経済学の教科書・法学の教科書……僕の家の本棚は、さまざまな分野の東大の教科書でいっぱいです。

今日はそんな僕の本棚の教科書の山の中から、「この本は本当に面白かった!」「この教科書はぜひみんな読むべきだ!」と思ったものを、読み方とあわせてご紹介します。

まずは、東大に合格して「自信満々」だった僕の鼻っ柱を折ってくれた一冊をご紹介します。

「論理力」を身につける1冊

「論理力のなさ」を思い知らされた『論理トレーニング101題』


「合格したと思ったらまたドリルかよ!」というのが、この教科書を初めて手に取ったときの印象でした。論理の力を鍛えるための101個の問題がずらっと並んでいて、まるで高校生の数学の参考書のような形式になっています。

この本の解答をみんなで考えてくる、という授業があります。僕自身はこの授業は受けていなかったのですが、あまりにも友達が「この本は素晴らしい!」とオススメしてくるので、「ええ? 本当かよ?」と疑い半分に手に取ったのが最初でした。

「東大に合格できたわけだし、論理トレーニングなんていらないんじゃ……」

そんなふうに考えながら読みはじめたのですが、その考え方は序章でひっくり返されます

まず、「この文章が論理的に間違っているところを指摘しなさい」という序章の問題が解けないんです! 新聞でよく見かけるような文章や本の一節の中から問題が作られていて、とても平易なはずなのに、全然解けない。

「ええ!? これ何か論理的に間違ってるの!?」「ああ! 言われてみるとたしかにここおかしい!」というような問題ばかりで、自分の論理力のなさに愕然とさせられました

また、本の中で「こういう受け答えは理由になっていない」と紹介されている例が「ああ、僕こういう受け答え、よくしてしまっている……!」みたいに落ち込んだりもして、「こういう論理の力、受験とか関係なく勉強しなきゃいけないんだ」と序章だけで納得させられました。

問題集は「答え」を先に読む

僕はこの本を、問題集のように一問一問解いていくことはしませんでした。もちろん問題を読んで考えることはするのですが、わからなかったらまずはすぐ答えを読むようにしました。その後、1日2日経ってからもう一度問題を読み返し、今度は「答えの理由」まで含めて答えられるかどうかチェックする、という読み方を実践したんです。

「問題集読み」のやり方
まずは何も考えず、問題と解説を読む。
1〜2日、時間を空ける。
2回目に解くときは、答えだけでなく「その答えになる理由」もあわせて答えられるかどうかをチェックする。
「その答えになる理由」が答えられなかったら、また解説を読んでに戻る。

僕は、受験生時代に数学の参考書でこれを行っていました。みなさんも経験あると思うのですが、どんな問題もはじめに見るときって「ええ!? どうやって答えたらいいの!?」と手間取ってしまいますよね。取っ掛かりがないから問題の解き方が全然わからなくて、「解こう!」と思っても時間ばかり消費してしまう……なんて経験、みなさんもあるのではないですか?

そういうときにオススメなのがこの読み方なんです。まず一度、問題を深追いせずに答えと解説を読んでしまう。そこで「その問題の解き方」を知ってから、今度は「自分で解説までできるかどうか」を試してみる。自分で完璧に解説ができるようになれば、その問題はマスターしたも同然です。同じような問題が出てきたとしても、解説通りに考えを巡らせて解くことができます。

そしてこの『論理トレーニング101題』は解説が面白いんです。頑張って「問題を解こう!」とばかりしていると挫折してしまうかもしれませんが、読み物として一度「なるほど!」という感覚を味わった後で解けるようになる訓練をしていくと、挫折することなく、楽しく短時間で論理の力を鍛えることができるというわけです。

言語科学の世界への最高の入門書

「ことば」の見方が一変『言語科学の世界へ――ことばの不思議を体験する45題』


みなさんは、「〜します」と「〜するんです」の違いを説明できますか?

例えば「元気がありませんね?」と聞かれて、「夕べ眠れませんでした」と答えるよりも、「夕べ眠れなかったんです」と答えたほうが座りがいいですね。

でも、「遅かったですね」と聞かれて、「電車の事故があったんですから」と答えると、押し付けのように聞こえます。

この本は、言語学の授業で使う教科書だったのですが、このような「そう言われてみればなんでこういうふうにいうんだ?」と思う「ことばの不思議」がたくさん載っていました。

「どうして『雄々しい』は良い意味なのに『女々しい』は悪い意味なのか」「『階』は、一階・二階だと『かい』なのになぜ三階は『がい』なのか」など、「言われてみれば確かにおかしい」と感じる日常のことばの変な部分が理由とともにまとまっているのです。

この本を読むまでは当たり前に使っていた言葉に対して、僕はこの本を読んでから「そういえばこの言葉ってどうしてこういうんだろう?」と疑問を持てるようになりました。日常のありふれた「ことば」に対する見方が変わったのです。

意識的に「疑問」を考えながら読む

授業でも推奨されていた読み方だったのですが、この本は「疑問を持って読む」といいと思います。

というのも、この本で書いてある解説というのは「100%正しい完璧な解説」というわけではありません。例外的な言葉もあるし、理由付けとしてそれ以外の仮説も存在する。「ことば」というありふれたものだからこそ、1つの完璧な解答・解説が存在するわけではないのです。

なので、言語学者になったつもりで「これって本当かな?」「これ、例外的な言葉ってないのかな?」と考えながら、前のめりになって読むのがオススメです。そうすれば、先程お話ししたように日常で使うことばの中からも「あれ?」と新しい発見ができるようになります。みなさんもぜひ、この本を「本当にそうか?」という目線で読んでみてください!

「経営学」の最高の入門書

経営学への興味を高める『大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる』


正直なことを白状します。僕はこの本を見たとき、「この本があるんだったら、僕ら授業出なくていいんじゃないか!?」と思いました。

だって、大学4年間の経営学が、この本を読んだらざっとわかるわけです。授業でこれから学ぶこととか、教授が全部この本にまとめてくれたというなら、授業を受ける意味はないのでは?と。

結論から言うと、そんなことはありませんでした。この本は、経営学のエッセンスになる重要な情報がコンパクトかつ網羅的に載っている本で、読めば読むほど「ここの部分、もう少し詳しく知りたい!」と思わせられる本だったのです。

だから、これを読むと教授の授業が受けたくなるんです。「この本があるなら授業に出なくていい」ではなく、「この本を読むと授業に出たくなる」本だったわけです。

気になったところを他の本で深掘りする

この本だけでは「経営学」はざっとしか理解できません。なのでオススメなのは、この本で「ここもう少し詳しく知りたい!」「この分野、面白そうだ!」と思えるようなポイントを見つけて、あとはそこを違う経営学の本で補完していくという読み方です。

僕は、同じ著者の『経営学で考える』という本と同時並行で読み進めていきました。『ざっと学べる』で気になったポイントを、『経営学で考える』の索引で探して読み、理解を深めていくわけです。

経営学は「例え話」があると途端にわかりやすくなります。この本の著者の高橋伸夫先生はその「例え話」をするのがとてもうまくて、それがたくさん載っているのが『経営学で考える』です。みなさんもぜひ、2冊同時に読んでみてください!

教科書は「次に何かを始める起点」にする

以上が、僕が東大の教科書の中で「これだけは読んでおくべき!」と思った3冊です。いかがでしたか?

東大のどんな教科書にも、どんな授業にも共通していたのは、「本を読んでそれで終わり」ではないということでした。そこから一歩発展させて、学問的に考えてみたり、日常生活に応用してみたり、次の1冊に繋げてみたりと、「そこから何かを始める起点」として、本を使っているのです。

ご紹介した3冊は、そこまでハードルの高い本ではないと思います。みなさんもぜひ、この3冊の本を起点に、何かを始めてみてはいかがですか?

原文リンク

本站帖子來源於互聯網,轉載不代表認可其真實性,亦不代表本站觀點!
關於本站| 官方微博| 私たちの関心網| よくある問題| 意見反饋|copyright 私たちの関心網