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20代30代社員が忘れがちな「もう1つの年金」


20代や30代の若手社員は意外に年金の「基本中の基本」を知らない。 遠慮せずに会社に聞いてみたほうがいい(写真:CORA/PIXTA)

普通、年金という言葉を聞くと、多くの場合は国から支給される公的年金のことを思い浮かべます。また最近ではiDeCo(個人型確定拠出年金)も、いわゆる「じぶん年金」としてしばしば話題になります。ところが年金にはもう1つ大事な年金があります。それが「企業年金」といわれているものです。20代や30代の若手社員にぜひ知っていただきたい大切な年金の1つです。

企業年金とは「もう1つの退職金」

この企業年金というのは、会社の中でも担当する部署の人ぐらいしか詳しくは知らないのが実情です。多くの社員の人は「何か会社にも年金みたいなものがあるのは知っているが、本当のところはよくわからない」という感覚です。

ところがこの企業年金、実は老後の生活のためには非常に重要なものなのです。では企業年金とはいったいどういうものなのでしょうか。

多くのサラリーマンは退職金というのは知っているはずです。結論から言うと、企業年金というのは「もう1つの退職金」のことなのです。ざっくりと言えば、退職する時に一度にまとめておカネを受け取ればそれは「退職金」、何年にも分けて延べ払いで受け取れば「企業年金」となります。

ただし、一定期間勤務していないと年金方式で受け取ることができない場合や、制度的に一時金でしか受け取れない部分がある場合もあるなど、すべてが年金で受け取れるわけではありません。さらに言えば、すべての企業に「企業年金」があるわけでもありません。主に大企業が中心ですので、企業数では企業年金のない企業のほうが圧倒的に多いのです。それでも人数で見ると、およそ民間企業サラリーマンの半数近くが何らかの形の企業年金に加入していると思われます。

サラリーマンにとって、老後の生活を支える3つの柱は「公的年金」だけではなく、それに加えて「企業年金・退職金」、そして「自分の蓄え(じぶん年金)」ということになります。したがって、自分の蓄えを考える前に、まずは公的年金の金額や退職金・企業年金がいったいどれくらいもらえるのかを知っておくことは重要です。

企業年金にはいくつかの種類がありますが、よく知られているのは「確定拠出年金」です。最近ではiDeCo(個人型)のほうがずっと注目されていますが、実際にはiDeCoの加入者はまだ100万人にも届いていないのに対して企業型の確定拠出年金はすでに650万人ぐらいの加入者がいます。この制度を採用している企業も3万社を超えてきましたので、おそらく読者の中にも企業型の確定拠出年金に加入している人は多いと思います。この制度は自分で自分の年金資産を運用する仕組みですから、運用の中身については無関心であっても、加入しているということはおそらくほとんどの人は理解しているでしょう。

確定給付企業年金を知っていますか?

ところが企業年金にはもう1つ大きな年金制度があります。それが「確定給付企業年金」と呼ばれるものです。

この制度は加入者が最近横ばいになっていますが、それでも約800万人いますから、確定拠出年金よりもたくさんの人が加入しています。

しかし、確定拠出年金とは異なり、こちらは自分が加入している、あるいは自分の勤め先にこういう年金があるということすら知らない人が多いのです。

さらに言えば、老後の生活設計を相談すべきFP(ファイナンシャルプランナー)の中にも、公的年金のことはよく知っていても、企業年金のことはあまり知らないという人がいます。

実は、そういう人が作った、老後に向けてのキャッシュフロー表を見たことがあるのですが、いささか驚きました。どこにも企業年金や退職金のことが載っていないのです。それでいて「これでは老後の資金が不足しますから」といって保険や投資を勧めるというのは本末転倒であり、不適切なアドバイスだと言わざるをえません。

アメリカでは「公的年金」「企業年金」そして「自助努力による蓄え」の3つをThree Legged Stool(3本足のいす)といって老後を支える重要な三本柱としています。

これはわが国でも同じです。それなのにその1つについて何も知らないのでは、老後のライフプランを立てるには不十分です。したがって、自分の会社に企業年金というものがあるのかどうか、そしてあるのなら、その仕組みや受け取れる金額などについて、ちゃんと理解しておく必要があります。

会社に遠慮なく問い合わせ、「老後資金の準備」を

企業年金の種類や自分が加入しているかどうかを知るには、会社の人事部や総務部、企業年金基金といった部署に聞く必要があります。そのうえで、自分が加入している制度が「確定拠出年金」であればこれは簡単です。自分の会社が委託している運営管理機関のWebやコールセンターでいつでも残高確認ができます。

一方、もう1つの「確定給付企業年金」は多くの場合、会社に聞くしか知る方法はありません。昔は、自社の制度やそれによって将来どれくらいの企業年金が受け取れるのかを積極的に社員に開示していない企業が多かったので、なかなか知ることができませんでした。

ところが最近は事情が変わりました。人事や総務に年金や退職金の制度を聞けば、ちゃんと説明したり答えてくれたりするところが増えています。遠慮することなく、自分の将来のためにも、ぜひ会社に積極的に内容を聞いてみることをお勧めします。

それに定年後に働きながら年金をもらう場合、年金の一部が支給停止になる場合があるということは以前にもこのコラムで書いたことがありますが(定年後も年金を減らされずに働き続ける方法)、企業年金は受け取る金額がいくらであっても公的年金が支給停止になることはありません。

「公的年金」「会社の退職金」や、「企業年金」といった基礎になる部分の金額をまずはっきり把握してから、それでも足りない分を自分でカバーするというのが正しい老後資金の準備の仕方ではないかと思います。

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