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手作りお菓子や料理をプレゼント!相手が体調不良になったら法的責任は?

手作りお菓子や料理をプレゼント!相手が体調不良になったら法的責任は?

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今回のテーマは梅雨に気をつけたい食中毒。切り口は、法律に関する疑問だ。自宅に遊びにきた子どもの友だちに手料理を振舞うママさんもいれば、恋人に手作りのスイーツをプレゼントする女性もいると思う。だがその手料理や手作りお菓子が原因で相手の体調が悪くなったら……法的責任は誰にあるのだろうか? ハラスメントや雇用問題など、何かと法律が取り沙汰される機会が多い昨今、「言われてみれば気になる」という人もいることだろう。弁護士の神尾尊礼さんに聞いてみた。

■刑事あるいは民事上の責任を負う可能性はある

ズバリ、正解から聞いてみたい。手作りのお菓子や料理で相手が体調不良になった場合、法的責任は誰にあるのだろうか。

「ひと口に法的責任といっても、大きくは刑事上の法的責任と民事上の法的責任の二つにわけられます。まずは刑事上の法的責任について考えてみましょう。今回のケースでは、食中毒にしてやろうと思っていたわけではないですが、食中毒は法律上では傷害に該当するので、過失傷害罪を検討することになります」(神尾さん)

悪気はないけれど、罪に問われるのはどうかという気もする。だが考えてみると、交通事故も悪気がない場合がほとんどだ。

「そうですね。どの程度の不注意があると過失傷害罪になってしまうかというと、このケースでは『1.食中毒を起こしてしまいそうだと予見できたか』、『2.その結果を回避できたか』という点です。もう少し具体的にいうと『1.不衛生なまな板や包丁を使った』、『2.よく洗えば食中毒にはならなかった』のなら、過失傷害罪の成立がありえます」(神尾さん)

では民事上の法的責任についてはどうなるだろう。

「こちらは、不注意で損害を受けたことに対して、賠償請求ができるかどうかが問題になります。今回のケースだと『治療費をかけさせた』、『仕事を休ませた』などが対象になりえます。刑事上の判断基準と同じように、『不衛生な環境だったか』、『清潔にしようと思えばできたか』が決め手になるでしょう」(神尾さん)

■これまで、裁判例は存在しない?

可能性について分かったところで、実際に手作りの料理やお菓子が原因の問題で法的に争われた事例があるのか聞いてみた。

「過去の裁判例を探したのですが(2018年4月現在)、刊行されている裁判例は業務上過失致死傷(飲食店の事件)、あるいはカレー毒物事件のような特殊事案のみでした」(神尾さん)

これまでは、個人的な食中毒の裁判例はないとのこと。

「先ほどお話したように、故意でなくても過失が立証できれば、刑事裁判で罪に問うこと、あるいは民事裁判を行うことはできます。ただ、因果関係の立証が難しい場合が多いです。人間は1日3食を食べるわけで、他の食品の原因を否定し切れない場合があります。また、飲食店や給食での食中毒であれば、他にも同様の症状を訴える人もいるので原因を特定しやすいのに対し、手作りのものは原因が絞りにくいという背景もあります」(神尾さん)

立証しにくいことに加えて、やはり「善意で作ってくれた料理やお菓子で裁判で争うのは……」と人情が働くのかもしれない。

■市販品は原因となった業者に法的責任が生じる可能性がある

では手作りではなく、市販の食品をプレゼントして、相手が体調を崩した場合はどうだろうか。

「市販の食品の場合、原因に応じて、製造や流通、管理など、その役割を担っていた業者に刑事あるいは民事上の法的責任が生じます。例えば要冷蔵のものを常温で何日も保管してからプレゼントした場合など、プレゼントした人に問題がある場合は、当然、プレゼントした人に刑事あるいは民事上の法的責任が生じる可能性があります」(神尾さん)
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