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5Gから楽天対策、ワンセグ受信料、ドコモダケの行方まで――ドコモ株主総会で語られたこと

 19日、NTTドコモの株主総会が開催された。過去の株主総会では消費者視点での質問も多く挙がることもあったが、今回はそうした質問だけではなく、株価の動向や、2020年の商用化が予定されている5Gに関する取り組みなど、幅広い質問が株主から寄せられた。

ドコモの吉澤社長

 株主へのプレゼンテーションの中で、5月30日にローンチしたAIエージェント「my daiz(マイデイズ)」のアプリダウンロード数が100万件を超えたことが明らかにされている。

ワンセグスマホ、受信料はどうなる?

阿佐美副社長

 今年3月、NHKの受信料はワンセグ対応の携帯電話でも支払い義務があるという判決が下った。Androidスマートフォンの多くにワンセグ機能が備わるなか、ドコモはどう対応していくのか。

 阿佐美 弘恭副社長は、「現在、ユーザーから直接、受信料はいただいていない。この構造がどう変わるか注視したい。(具体的な対応は)現状、決まっていない」とコメントするに留めた。

dポイントを海外でも利用できるように

 過去、ドコモの海外事業はうまくいかなかった。特にアジア方面について今後はどう考えているのか――そんな問いに、ドコモ副社長の中山俊樹氏(19日付けで退任)は「結果的に失敗、撤退したことがいくつかある」と振り返りつつも、現在はフィリピンや台湾の携帯電話事業者に出資したり、アジアの通信事業者と「コネクサス・モバイル・アライアンス」を結成し、ローミングなどが滞りなく進むよう協調していることに触れ、日本から海外を訪れるユーザーのみならず、訪日外国人向けの対応に活かしていると語る。

 また、40以上の国・地域において、キャリア決済の仕組みをドコモのグループ会社が提供していることも紹介。

 さらには、新たに同社の戦略の軸になる「dポイント」について、海外で利用できる環境を目指して、協議を進めていることを明らかにした。

5G、実験で見えてきたこと

 高速大容量、低遅延、そして多くの端末の接続という3つの要素を実現する「5G」(第5世代のモバイル通信規格)によるサービスを、2020年より提供する予定のNTTドコモ。

 商用化する際には、ビジネスにも活用してもらえるよう、さまざまなパートナー企業と実験を進めており、その一例として今回、コマツとともに建機をリモート操作する取り組みを紹介。株主からは「他にはないのか」と問う声が挙がる。

 そこで中村 寛取締役常務執行役員(R&Dイノベーション本部長)は新日鉄ソリューションとの協力体制を紹介。鉄を作り出すためのプロセスは、高熱を用いるため、人にとっては危険な環境。リモートでロボットを操作し、作業を進められないか検討を進めているのだという。仕組みとしては、人にセンサーを付けて操作する形で、高速かつ低遅延な5Gだからこそ実現できる。

 また和歌山県立医科大学と進める検証では、過疎化が進む地域の医療機関と、都市部の医療機関を5Gで結び、遠隔医療を実現しようとしている。同大学との協力により、現在の医療現場ではMRIなど、多くの映像素材を用いていることがわかった、と中村氏。5Gでさまざまな社会課題の解決に取り組む、と意気込んだ。

災害時にも繋がりやすく

 株主総会の前日、大阪で震度6弱の地震が発生。そのこともあって、株主からの質問では、災害対策関連の設備投資を訪ねるものもあった。

 これに田村穂積取締役常務執行役員(ネットワーク本部長、ネットワーク部長)は、自衛隊との共同訓練などを実施する一方、毎年数千億円の規模に挙がる設備投資は、快適な通信環境を整える目的で、冗長化などを進めていると説明。

 吉澤和弘社長も、日頃から追求する繋がりやすさとあわせて、災害発生時の通信品質の維持を目指しており、災害対策だけを切り分けて投資額を算出しているわけではないと語っていた。

dポイント、今後の取り組みは

 新たにdポイント会員基盤を、事業戦略の軸に据える方針を明らかにしたNTTドコモ。

 そこへ「ずっとドコモを使い続けている」という株主が、長期契約のユーザーに向けた取り組みはどうするのか、ドコモ経営陣に質問した。

 取締役常務執行役員の辻上広志氏(営業本部長)は、2018年5月から「ずっとドコモ割プラス」という割引サービスを導入したことを説明。長期利用者向けは、利用料金の割引か、料金割引の1.2倍のポイント付与か選べる形にしたと説明。たとえば15年以上のユーザーが毎月800円の料金割引を受けている場合、dポイントの付与を選べば960ポイントになる。辻上氏は、「年間で1万ポイントにはなる。dポイント加盟店でのショッピングでたとえれば、還元率1%の場合、100万円相当の買い物をした場合のポイントが還元されることになる」と語り、dポイントの利用促進と長期契約者に向けた施策をセットにした取り組みと語る。

 またANAのマイレージと交換できるようにならないかという問いには、吉澤社長がJALのマイレージとは交換できると説明。加盟店の開拓は今後も順次進めていく方針があらためて紹介された。

ドコモダケはどこへ

 dポイントを主軸にすることもあってか、最近、ドコモの広告では「ポインコ兄弟」の存在感が増している。

 その反動か、めっきり見かけなくなったのが「ドコモダケ」。今回の株主総会では「ドコモダケが旅に出たというが、いったいどこへ行ったのか。東西南北で言えばどちらか」という風変わりな質問が飛びだした。

 事前にはなかなか想定できない質問ながら、中山副社長は「愛していただいてありがとうございます。不勉強でまだ確認できていませんが、お調べして、ドコモのWebサイトに掲載したい」と約束していた。

楽天、どう相対する?

 この春、楽天が携帯電話事業へ参入することが決まった。これまではNTTドコモの回線を借りるMVNOサービスを提供してきたが、自ら携帯電話基地局を全国へ敷設する立場に変わることとなる。

 MVNOから、いわゆるMNOへ変わろうとする楽天に対して、ドコモはどう相対するのか。

 株主からの問いに大松澤 清博取締役(19日で退任)は、「事業者間協議に該当する。守秘義務があり、交渉の有無や詳細は申し上げられない」としつつ、楽天はMNOになるため、自社ネットワークを運用展開することが原則、と説明。要請があればビジネスベースで対応する、と説明。ローミングの要請があった場合も「結論ありきではなくて、しっかりと協議をして結論を出したい」と語っていた。

 またdポイント会員基盤を事業戦略の中心に据える方針にあわせ「Eコマースに進出していこうと準備していた。今回の件を踏まえて事業展開を進めたい」と説明する。

働き方改革、ドコモショップにも

 総会終盤には、ドコモショップを展開する代理店の本社管理職と話す機会があった、長時間残業で過労死ラインを超えている、と株主から指摘する場面もあった。

 ドコモショップは長らく年中無休で運営されてきたが、2017年から月に一度、定休日を設けるようになったという。ただ、株主からの指摘はそのショップを運営する管理部門の働き方について。万が一、過労死が発生すれば社会問題になり、人材の流出やユーザーからの信頼の喪失などに繋がるのでは、と意見を述べていた。

株主へのお土産としてポインコ兄弟のぬいぐるみと、移動基地局車のおもちゃ(トミカ、チョロQ)が配られた

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