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会社を辞めてフリーランスで食えるのか? 体験者が味わった明暗

フリー栄養士の圓尾和紀さん

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「働き方改革」が声高に叫ばれる今、会社に頼らず自らの力で生計を立てるフリーランスが増えている。生涯雇用制度が崩れた昨今、働く人には多くの不安、葛藤があるなかで、あえて独立した人々の意識は? 一つの組織に頼らない生き方を選んだ人々の実態に迫る。

◆会社に出戻ろうとして失敗。退路を絶たれたことで腹をくくり付加価値を創造

 医療・介護施設や社員食堂・学校給食センターなどで提供される食事は、命と健康に直結する。そのメニューを差配するという肝心かなめのポジションにあるのが、管理栄養士だ。勤務先の規模や官民の別などによって待遇は大きく変わるが、平均年収は400万円ほどで長く勤めれば給料も上がっていく。他の業種と比べても遜色ないレベルと言えるだろう。

 だが、病院勤務の管理栄養士として社会人生活を始めた圓尾(まるお)和紀さんは、そんな可もなく不可もない職場に早々に見切りをつけた。

「当時の月給は手取り23万円ですから、国家資格が必要な仕事としては安いと思っていました。そんなとき、フリーで活躍している管理栄養士の事例を見聞きして刺激を受けました。今後、日本経済が縮小していくなかで、20代の貴重な時間をここで消費してはいけない。独立してもっと自分を追い込んで高めていかないと、将来、家族を養えないと考えたんです」

 フリー転身してはや5年目となり、今となっては他人が羨むほどの稼ぎを得ている彼だが、当初は泥水をすするような生活だった。

「貯金もなく、計画もそれほどなく、辞めたせいでしばらく食い詰めたところに、古巣の病院が募集をかけていたので、履歴書を送ったんです。ここで落とされて退路が完全になくなり、腹をくくりました。栄養士と関係ないような人材紹介や格安スマホの営業代行などのバイトでなんとか食いつないで、管理栄養士として生計が立つようになったのは、今から1年半前からです」

 転機になったのはテレビ出演とSNSでの情報発信だった。やがて講演や執筆の依頼が増え始め、“成功しているフリーランス管理栄養士”の実績が次の仕事を呼び込む好循環に入ったという。高収入を稼いでいる同業者の顔ぶれを圓尾氏に尋ねると、栄養の知識以外に、エッジの効いた付加価値を持っていることが重要らしい。

「ダイエット、美容、マクロビ、薬膳など、何かに特化している人が活躍しています。今後の展望としては、’20年の東京オリンピックに向けてアスリートをサポートする需要が高まると思います」

 大リーグの大谷翔平が専属の管理栄養士をつけていると報じられて話題になったように、体が資本のスポーツ選手たちにとって、管理栄養士の専門知識が必須の時代になりつつあるのだ。

「アスリートにどう食い込むかは工夫が必要ですが、いったんつながってしまえば大いに活躍できるし、稼げると思いますよ」

 日々の食事改善は、生活習慣病におびえる一般人にも大きな関心事だ。管理栄養士のブレイク時代がやってくるかもしれない。

●圓尾和紀さん(32歳)
大学院修士課程卒後、総合病院2軒で管理栄養士職に就くが、計1年半勤務して脱サラ。現在はフリー栄養士志望者向けの塾を主宰。講演、料理教室、執筆活動などに取り組む

※『週刊SPA!』6/19発売号「フリーランスの明暗」より

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