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「外敵の襲来に対して体を爆発させるアリ」の新種が東南アジアで発見される



アリは非常に多くの個体が集団を作って生きる昆虫であり、大きすぎる餌を分割してそれぞれの個体が少しずつ運んだり、複数の個体が協力して大きな餌を運んだりするなどの協力行動を取ることが知られています。また、いくつかのアリは自分たちの体で他の個体が渡る橋を作ったり、負傷したアリを安全な場所まで運ぶ救命行為をしたりといった、社会的な行動を取る昆虫です。そんなアリの中には、なんと「自分の体を爆発させる」という奇妙な行動を取る種類が存在し、この「爆発するアリ」の新種が発見されたと発表されています。

Colobopsis explodens sp. n., model species for studies on “exploding ants” (Hymenoptera, Formicidae), with biological notes and first illustrations of males of the Colobopsis cylindrica group

https://zookeys.pensoft.net/articles.php?id=22661

New Species of ‘Exploding Ant’ Discovered in Borneo

https://gizmodo.com/new-species-of-exploding-ant-discovered-in-borneo-1825397505

多くの生物が自分の遺伝子を残そうと利己的な行動を取りがちなのに対し、アリは自分が所属するコロニーを維持するために利他的な行動を取ることで知られています。そして、ボルネオ・タイ・マレーシアなど東南アジアの国々に生息するジバクアリと呼ばれる種類のアリは、外敵が巣に近づくなどの脅威に対して「自分の体を爆発させる」という自己犠牲的行為に及ぶことがあります。

ジバクアリは腹部を収縮させることにより腸壁を破裂させ、爆発の衝撃で内部の分泌腺から毒性のある粘着液を放出し、外敵を道連れにして撃退します。自爆すれば確実に自分が死んでしまうのですが、コロニー全体からすれば利益をもたらす行為ということになります。

「体が爆発するアリ」の存在は100年以上前から西洋の科学者によって認識されており、20世紀前半には複数のジバクアリの種類が確認されています。ところが、1935年以降は新種のジバクアリに関する証拠が確認されない時期が続き、80年近くにわたって新しいジバクアリが発見されることはありませんでした。そんな中、ウィーン自然史博物館やウィーン工科大学を中心とした学際的な研究チームが、ボルネア・タイ・マレーシアのジャングルに派遣され、新種のジバクアリを発見したと発表しました。



国際動物学誌ZooKeysに掲載された論文によれば、研究チームは新たに15種類のジバクアリを発見し、中でもColobopsis explodensという新種はジバクアリのモデル種として将来の研究に役立つだろうとしています。

また、ジバクアリの中には自分の体を爆発させる機能を持つ働きアリの他に、「ドアキーパー」の役割を持つアリが存在することも判明したとのこと。「ドアキーパー」の働きアリは、外敵が襲来した時には巣の入り口に陣取って、特殊な形状をした頭で巣穴をふさぐことで、外敵が巣穴に侵入することを防ぐそうです。

研究者たちはジバクアリの食生活についても調査を行い、ジバクアリが藻類やコケ、死んだ昆虫、果物、魚などを食べるとわかりました。ジバクアリについては研究者が働きアリに近づきすぎると爆発してしまい、研究が困難な側面もあるものの、今後も調査を重ねて不可思議な生態を解明すると研究チームは述べています。

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