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人口増による食料不足に「昆虫食」で挑む:注目のスタートアップ5社

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世界には十分な食料がない。「2〜3年以内に、当たり前のように昆虫を食べてタンパク質をとる必要が出てくるでしょう。贅沢な食事をとるために発展途上国を破壊し続けるわけにはいきません」と語るのは、Entocycleの設立者ケイラン・オリヴァレス・ウィテカーだ。

確かに問題は山積している。世界の農地の80パーセントは、世界全体の摂取カロリーの20パーセントしか生み出さない畜産業に使われている。また、世界の水産資源の90パーセントが乱獲されている。

農業によって排出される温室効果ガスは、クルマやトラック、列車、飛行機の合計排出量よりも多い。それでいて、世界全体で8億人がまだ飢えている。世界人口は2050年までに100億人に達すると予測されているというのに、増える分の20億人をどうすれば食べさせることができるのだろうか?

コオロギ4匹で、大きめのコップ1杯の牛乳と同じだけのカルシウムを摂取でき、フンコロガシ1匹にはステーキよりも多くの鉄分が含まれる。そこで、昆虫食を「気持ち悪くないもの」にしようという努力が世界各地で行われている。

例えば、世界一のレストランに4度選ばれたデンマークの「Noma(ノーマ)」のシェフや、プロテインバー用に昆虫をすりつぶしているロンドン・サウスバンク大学の研究チーム、そして各国のさまざまなスタートアップの取り組みがそうだ。ここでは昆虫を利用した食品の開発に取り組む5つの企業を紹介しよう。

Exo

コオロギの粉末を使ったプロテインバーを製造するExoは、設立者のグレッグ・ソウィッツとガビ・ルイスが、米国のブラウン大学に在学中だった2013年に立ち上げた。クラウドファンディングサイト「Kickstarter」での最初のキャンペーンでは5万5,000ポンド(約830万円)を調達。その後、ラッパーのNasや、ライフスタイルの権威であるティム・フェリスといった投資家たちから、さらに資金を調達した[日本語版記事]。

タンパク質を10g含み、グルテンや穀類、大豆、乳製品、精糖が入っていないバーのレシピをつくったのは、英国の有名レストラン「The Fat Duck」のシェフ、カイル・コナートンだ。Exoは18年3月、テキサス州オースティンを拠点とする昆虫農場会社Aspire Food Groupに買収された。Aspire Food Groupは、カナダのマギル大学の大学院生3人が設立した企業だ。

Entocycle

Entocycleはロンドンブリッジにある生産センターで、有機廃棄物をエサにしてアメリカミズアブの幼虫を育てている。冒頭で紹介したウィテカーが同社を設立し、最高経営責任者(CEO)を勤めている。環境デザイナーだった同氏は、米国中部を旅行していたとき、農場経営者による伐採で森林が「消滅」するのを見たのがきっかけで、同社のアイデアが浮かんだという。ウィテカーは17年にロンドンに戻り、当初は靴箱ほどの規模で培養を始めた。

現在は農場経営者や食品加工業者、卸売業者から有機食品廃棄物を収集して、アメリカミズアブの幼虫のエサにしている。水産養殖と家禽向けに幼虫を販売しているが、近い将来は完全自動化のモジュール式工場で、人間用の持続可能なタンパク源を製造する計画だという。

FlyingSpArk

人類のいちばんの親友は、犬ではなくミバエかもしれない。ミバエは1910年から遺伝学研究に使用され、ノーベル賞受賞者6人に“体”を提供している。イスラエルの新興企業FlyingSpArkは、短期間で繁殖するミバエの特性(短い生涯に500個前後の卵を生み、卵は24時間以内に孵化する)を利用して、高タンパクで、カルシウム、鉄分、カリウムが豊富に含まれ、コレステロールがほぼゼロの肉を提供しようとしている。

共同設立者のエラン・グロニカンドによると、ミバエは飼育に水や土地がほぼ不要でライフサイクルが短いので、自動的に生産されるようなものだという。同社は2017年、ほかの9社とともに、イケアのスタートアップアクセラレーターに参加した。イケアのレストランで最初の製品を展開することを目指している。

Essento

スイス政府は17年5月に、コオロギやバッタ、ミールワーム(ゴミムシダマシの幼虫)など、食用の昆虫の販売を認可した。チューリッヒを拠点とするEssento(エッセント)の昆虫バーガーと昆虫ミートボールは、同年夏から国内で2番目に大きいスーパーマーケットチェーン「Coop」で販売されている。

Essentoを13年に設立したのは、環境保護論者のマティアス・グラウワーとクリスティアン・ベルチュだ。彼らは、自由緑の党に所属するイザベル・シェヴァレー下院議員の支援を受けながら合法化を働きかけた。同社は現在、「Bug a Thai」レストランと取引し、新製品となるバッタの串刺しを開発中だ。「着手したときには、人々は昆虫を食べることにかなり懐疑的でした。法改正によって、気味悪く思う人々の気持ちが変わりつつあります」とグラウワーは言う。

Eat Grub

Eat Grubは13年に、ニール・ホイッピーとシャミ・ラディアによって設立された。ラディアがマラウイをチャリティー旅行で訪れたとき、チリとライムで調理されたハアリを紹介されたのがきっかけだった。2人は手始めにロンドンで期間限定レストランを開いた。新世代タイ料理のシェフとして知られるセブ・ホームズが、7品からなる試食コースメニューを提供した。

ホイッピーとラディアは、レシピを紹介する共著書『Eat Grub: The Ultimate Insect Cookbook』を出版後、下ごしらえ済みのフリーズドライのさまざまな昆虫と、コオロギ粉末を使用したエナジーバー、芋虫をローストにしたスナックを発売した。16年には、農場経営者で昆虫学者のハワード・ベルと提携し、英国初のコオロギ飼育場「Entovista」を開設した。

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