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インバウンドで大人気!公道カート「マリカー」は、はっきり言って「危険」で「邪魔」

公道カートは危険?(MariCar Facebookより)

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「正直言って……ナメてんのかっ!って思いますよ。大事故が起こってからでは遅いのですから」と憤るのは、国土交通省のとある職員。

 何について怒っているかといえば、外国人観光客に大人気の公道カートだ。

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 近頃、街で目につくあの集団――。

 任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」に登場するマリオをはじめ、ルイージ、ピーチ姫やキノピオといったコスチュームに身を包み、ゴーカートそのものの小さなカートに乗って公道を走る集団である。

 任天堂には「マリオカート」というゲームもあるから、この公道カートを“リアル・マリオカート”なんて呼ばれ方もしているのだが、任天堂とはまったくの無関係。

 それどころか、任天堂はマリカー社に対して不正競争行為、著作権侵害を訴えて、いまも係争中だ。

公道カートは危険?(MariCar Facebookより)

「任天堂がマリカー社を訴えたのは2017年2月24日のこと。公道カートのサービス自体が著作権侵害であり、マリオカートの略称である“マリカー”を社名に無断使用しているとして1000万円の支払いを求めています。ただし、社名については、マリカー社によって前年(16年)6月に商標登録されており、特許庁は任天堂の異議申し立てを却下しています」(社会部記者)

 実際、これが報じられた当時は、「無許可だったのか!」という驚きの声が上がったものである。だれもがパクリ商法としか思えなかったのである。

任天堂とは無関係

「相手は民間企業最強とまでいわれる任天堂法務部ですからね、マリカー社も考えたと見え、公式ページからはマリオのコスプレを外したり、コスプレ衣装をレンタルでなく買い取りにしたり、他店で購入できるとしたり、マリオカートとの無関係を強調するようになっていますよ」(同)

 ホームページ曰く、

〈「マリカー」は公道上でゴーカートを運転して観光する、冒険型の健全な観光アクティビティです。任天堂やゲーム「マリオカート」(Mario Kart)とは無関係で全くの別物です。ですから、公道上でレースを行うことはできません。バナナの皮等のゴミを公道に投げ捨てることもできません。ましてや、赤い亀の甲羅などの物品をお互いに投げ合うこともできません。マリカーでの楽しい体験は、日本での忘れることのできない一生物の思い出になるでしょう。私たちは、お客様が安全に楽しんでいただけるよう、安全を最優先に運営を行っております。ご協力に感謝します。〉

 ちなみにその料金は、マリカー秋葉原店を参考にすると、秋葉原から東京駅を経て、上野、浅草、スカイツリーを巡るミドルコースの場合で9000円。SNSでレビューしてくれたら7500円に割り引き、宣伝は客にやってもらうというスタイルだ。これに付けヒゲ(250円)、コスチューム(販売)5500円などが加算される、というシステム。

 問題はむしろ“安全”のほうなのである。

事故の86%が外国人ドライバー

「警視庁は昨年(17年)3月27日から今年(18年)2月26日までに都内で発生した、公道カートの事故は50件となり、そのうち86%を占める43件は外国人ドライバーが関わっていたことを発表しました。事故にからんだ外国人ドライバーの国籍は、一番多かったのがアメリカ人の15人、次いで韓国人の10人、以下、中国、台湾、オーストラリアと続くそうです。国際色豊かなのは、リオデジャネイロ五輪の閉会式で安倍首相がマリオに扮したことでもわかるように、スーパーマリオのおかげでしょうね。それにしても、外国人が86%とは驚きました」(同)

 その上、ジャマという声が多いのだ。

「一緒に同じ道を走るはめになると、危ないんだよ、あいつら。ハデな格好をしているから昼間は目立つよ、対向車なら。だけど、同じ車線を走っていて薄暗くなったら、気がつけない時がある。先導車や最後尾のカートに補助灯が付いていたりすることもあるけど、わかりにくいよ。真横や斜め後ろの死角に入られたりすると、ボンネットよりも車高が低いから気がつかない。運転しているのは、日本の左側通行に慣れていない外国人だしね。そのくせ、信号待ちや走行中に写メしてる奴もいる。公道って意識がないんだよ。それに10台とか20台でつるむから、信号が赤になるっていうのに、前のカートに無理矢理ついていく奴もいるから危なくってしょうがない」(タクシー運転手)

 昨年3月には港区芝公園で交差点を左折しようとして曲がりきれず、交番の外壁にぶつかったマリカーもあった。

 同じく6月には港区のレインボーブリッジ上で、メルセデスベンツEクラスと接触したマリカーも。

 また今年2月には千代田区外神田で、マリカーで自転車に乗った少年をひき逃げしたとして逮捕された者まで……。

対策要請を無視

 国土交通省技術政策課に聞いてみた。

「不幸中の幸いといいますか、これまで死亡事故は出ていません。しかし、公道カートはシートベルト、ヘルメットの着用義務はありません。自損事故ならともかく、車と衝突などしたらひとたまりもありません。小さくて車体が低いので見づらいというご意見もいただいていますから、他車からの視認性を上げることが急務です。国土交通省では昨年より有識者検討会などを開催し、シートベルトの装備や、高さ約1メートルほどのやぐら状の台を設け、そこに尾灯を付けることを義務化するなど、制度改正することを決めています」

 省令の改正で済むから、それほど時間はかからないという。では、施行はいつ頃になるのだろうか。

「対策部品の製造にも時間がかかるでしょうから、3年ほどはかかるかもしれません。そのため、公道カートを運営するマリカー社などには、シートベルト等の対策を申し入れているのですが……」(同)

 だが、今のところ業者は対策を実行に移していないという。

「マスコミには『制度改正までの状況を見守りたい』とか言っているようですが、正直、ナメてんのか!と思いますよ。大事故が起きてからでは遅いのですから」(同)

 国交省管轄の「道路運送車両法」では排気量から原動機付き自転車扱いとなるためにシートベルトは不要。警察庁の「道路交通法」では4輪であることから自動車扱いとなって、ヘルメット、原付の二段階右折も不要となっている。2つの法の網をかいくぐるように成り立っているのが公道カートだった。

「元々は趣味の車でしたからね。でもここまで普及して、事故も多くなってきては放って置くわけにはいきません」(国土交通省)

 業者もキチンと対応しないと、このままでは肩身が狭くなるばかりである。

週刊新潮WEB取材班

2018年4月22日 掲載

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