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宿泊価格の乱高下に満員のコンビニ、歩けないマスコット…冬季五輪開催地の非日常〜江陵編

(写真=S-KOREA編集部)

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約1週間の平昌五輪の現地取材を終え、日本に戻ってきた。

テレビを見る限りでは、韓国より、日本の方が盛り上がっているような感じがする。

それでも現地は、普段とは違う、非日常の中にある。

活動の拠点にしたのは、氷上種目が行われている江陵(カンヌン)だった。

大会前に懸念されたのは、宿泊施設不足である。山の中の平昌はもちろん、人口約20万人の江陵も泊まる所は少なく、モーテルなどの料金が10倍以上跳ね上がっているという噂もあった。

そのため、現地に行く予定のあるソウル在住の友人に依頼し、江陵の中心部から少し離れた所にある、1泊3万ウォン(約3000円)の海辺のゲストハウスを紹介してもらった。

ゲストハウスは相部屋ではあるが、この時期3万ウォンならありがたい。しかしオーバーブッキングだった。

江陵宿泊の最初の日、開会式を見たため帰りが遅かった私は、床の上に寝るしかなかった。

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宿泊価格が乱高下した要因

翌日、江陵駅まで出たついでに、ダメもとで駅周辺のモーテルを当たってみた。

すると入ったモーテルの1軒目で、1泊5万ウォンの部屋が見つかった。

入口の価格表には、週末7万ウォン、平日5万ウォンになっており、私が行ったのが土曜日だったが、5泊するということで、全日5万ウォンにしてもらった。

ゲストハウスの3万ウォンに比べると高いが、利便性を考えると、結果としてはほとんど変わらない。

江陵市内で会った大会ボランティアに、駅前で5万ウォンの宿に泊まっているという話をすると、驚いた表情で、「安いですね。この間カナダ人に聞いたら、駅前のモーテルに1泊20万ウォンで泊っていると言っていました。暖房は効いていますか?テレビはありますか?インターネットは使えますか?」といわれた。もちろん宿泊するのに、何の不自由のない部屋だった。

5万ウォンでも、通常よりは1、2万ウォン上乗せしている。私が泊まった2日目には、入口の料金表が10万ウォンになり、その翌日に5万ウォンに戻っていた。

駅前の宿泊業者にすれば、平昌五輪はまたとない儲けるチャンスであったが、思ったほど宿泊客がおらず、宿泊価格が乱高下しているようだった。

宿泊客が思ったほど集まらなかった要因として、料金が高いという評判がかなり広まっていたことに加え、昨年12月22日に江陵とソウルの清涼里を1時間40分弱で結ぶ高速鉄道・KTXが開通し、ソウルからの日帰りが可能になったことがある。

そのため江陵駅は、常に大勢の人でごった返していた。

KTXが開通する前は、ソウルから鉄道で6時間なのに対し、高速バスだと3時間ほどだったので、交通の拠点は市外バスターミナルを併設した高速バスターミナルの方だった。実際、食堂やコンビニなど、旅行者が必要とする店は、バスターミナルの方に多い。

それに対して、新たに建設された江陵駅の構内には、食堂とコンビニはそれぞれ1軒ずつだけで、いつも賑わっている。

駅に外にも食堂は少なく、テントで立食のフードコートが作られていた。コンビニも、駅の近くには1軒だけ。深夜観戦帰りの人たちが押し掛けると、満員電車のような状況になった。

その一方で、バスターミナル側の食堂やコンビニには人が少なく、KTXの開通で、街の人の流れが、完全に変わったようだった。

しっかり歩けないマスコットのスホラン

旅行者にとっては、開催地のバス料金が無料なのはありがたかった。

これは、渋滞解消のため、ナンバーの末尾が偶数か奇数かで通行制限をする2部制を実施するのに伴い、公共交通機関の利用を促すための措置である。

また江陵市内には、競技施設の大半が集まるオリンピックパークと、女子アイスホッケーが行われる関東ホッケーセンターの2か所があるが、両方とも江陵駅や高速バスターミナルからシャトルバスが頻繁に出ている。こちらも、江陵駅発は混んでいるが、高速バスターミナル発は、乗っている人がほとんどいなかった。

オリンピックパークに入るのには、2000ウォンで入場券を買う必要があった。

最初の日曜日である11日には、入場券売り場に行列ができ、午後2時過ぎには、売り切れになった。

オリンピックパークの中には、スポンサー企業や2020年の東京五輪などの広報館やイベント広場があり、パレードも行われていた。

公園内では、マスコットのスホランが愛嬌を振りまいている。しかしこのマスコット、のぞき穴の位置に問題があり、自分だけではしっかりと歩けない。ボランティアに支えられて歩く姿は、微笑ましいようであり、痛々しくもあった。

14日は江陵でも強風が吹き荒れ、オリンピックパーク内の施設が吹き飛ばされたり、閉鎖されたりした。

江陵は海沿いの町であるので、風が強いこともある。

しかし観光地の一つである、海のそばの大きな池のような鏡浦湖(キョンポホ)は、湖面に夜空の月が、鏡のように映し出されることで有名だ。昔の風流人は、夜空の月と湖面の月、盃の月と恋人の瞳に映る月を愛でたという。山の平昌と違い、江陵は湖面に波が立たないほど、風が穏やかだということだ。

鏡浦湖の近くには、烏竹軒(オジュッコン)など観光地も多く、シーズンになると修学旅行生などで賑わう。ドラマや映画のロケ地でもあることから、日本人や中国人も江陵を訪れるようになった。

「警告 この地域は、軍作戦地域です」

私は24年前に初めて来たのを皮切りに、江陵に来るのは今回が5回目だ。

街はオリンピックの影響で随分あか抜けてきたが、もともとは、映画館がシネコン1軒、芸術映画用の独立館が1軒しかない、古びた小さな街である。

しかしオリンピックの期間中は外国人が増え、街は間違いなく、非日常の中にある。

それでも、私が江陵での初日に泊まったゲストハウス近くの海岸の看板には、次のような注意書きがあった。

「警告 この地域は、軍作戦地域です。(中略)24:00以後には、海岸線の出入りは、一切禁止するようお願いします」

南北融和が謳われ、江陵の街全体がお祭りムードであっても、北朝鮮に近い地域ゆえの緊張という、変わらぬ日常がそこにはある。

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14日、女子アイスホッケーの日本・コリア戦でコリアは1ゴールを挙げた。

左派系の『ハンギョレ新聞』は、「待ちに待った初ゴールが決まった…抱き合う南北統一チーム」という見出しを掲げ、第2面のほぼ全面を使い、これを報じた。

一方保守系の『朝鮮日報』は、第3面の左下6分の1くらいのスペースに、「オリンピック初ゴールは入れたが…単一チーム、日本に1対4で完敗」という見出しを掲げたうえ、ゴールについても「唯一のゴールが出た時、氷上に立つ選手は、韓国国家代表だけだった」と指摘し、冷めた見方で報じている。

女子アイスホッケーの南北統一チームに関しては、韓国内でも温度差がかなりある。

(文=大島 裕史)

初出:ほぼ週刊 大島裕史のスポーツ&コリアウォチング

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