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小池騒動が示す、「第二保守党」がダメなワケ


11月末の「パラリンピックまで1000日」都内のカウントダウン・イベントでの小池百合子都知事(写真:田村翔/アフロスポーツ)

2017年を回顧するテレビや新聞の中で大きく取り上げられているのが、小池百合子・東京都知事だ。希望の党を立ち上げ、安倍晋三政権を倒すかと思われたが、「排除」発言で頓挫した。小池氏の慢心や計算違いが指摘されているが、失敗の本質は「自民党に対抗するには第二保守では無理」という政治的現実ではないか。その内実を考えてみよう。

小池氏は、希望の党の立ち上げを表明した際、基本路線として「改革保守」を明言。自民党に代わる保守政党を目指す考えを強調した。それが、衆院選の候補者選びの中で、護憲派やリベラル派を「排除する」という姿勢につながった。

民進党を離党して小池氏と合流した細野豪志元環境相も「保守二党論者」だ。細野氏は民進党が国政選挙で共産党と連携することを批判、外交・安全保障でも安全保障法制の即時廃案を訴えるリベラル派と距離を置いていた。細野氏は希望の候補者選定の実務を担い、リベラル派を公認しなかった。それが反発を生んで立憲民主党の結成につながり、衆院選で希望は競り負けた。護憲・リベラルの立憲民主党が保守二党論の希望を押さえた格好だ。

第二保守党は結局どうなったか

日本政治の中ではこれまでも、自民党に代わる第二保守党を目指す動きがあった。

たとえば1976年に河野洋平、西岡武夫両氏らが自民党を離党して結成した新自由クラブ。自民党の金権体質を批判し、新たな保守勢力の結集を目指した。結党直後はブームを巻き起こしたが、その後は伸び悩み、1983年には自民党の中曽根康弘政権との連立に組み込まれ、1986年には解党した。

2010年、当時の大阪府知事だった橋下徹氏が結成した大阪維新の会も、第二保守党を目指す動きだろう。12年の衆院選では54議席を獲得して躍進した。しかし、その後は日本維新の会などと名前を変え、自民党と民主党(後に民進党)に挟まれて党勢は衰退している。

小池氏が希望を立ち上げて第二保守党を目指したのには、それなりの根拠があった。2017年夏の都議選(定数127)で小池氏が率いる都民ファーストの会が49議席を獲得(追加公認6を合わせて選挙後は55議席)。23議席にとどまった自民党を打ち破って都議会の第一党の座を占めたのである。小池氏が「自民党に変わる保守党」に手応えを感じたとしても不思議はない。

しかし、10月の衆院選では挫折を味わった。国政で第二保守党はなぜ、ダメなのか。

国政では自民党が大きく立ちはだかる。全国に支持団体、地方議員、党員を持ち、農協、医師会、建設業界といった団体の支援を受ける。1955年の結党以来、一時期を除いて政権の座にあり、官僚を使いこなすなど政権運営のノウハウを蓄積してきた。したたかな自民党に対抗するのは容易ではない。政権にある自民党と野党の第二保守党では、なかなか勝ち目はない。

政策ではどうか。自民党と第二保守党の政策は似通っているため、自民党との差異化が難しい。新自由クラブや維新が、社会保障や行政改革で独自の政策を打ち出しても、自民党はうまく取り込んでしまう。

選挙ではどうか。東京都に限って見れば、都議選で都民ファーストが自民党を打ち負かす事態は見られたが、全国規模で第二保守党が自民党をねじ伏せる組織力を備えることは考えにくい。10月の総選挙で、希望は自民党とリベラルの立憲民主党に挟まれて埋没してしまった。

政権交代の実現には、幅広い勢力を束ねること

自民党が政権を失った2度の例を見てみよう。1993年の衆院選では、自民党が過半数を割りながらも、第一党を維持。これに対して、自民党を離党したばかりの小沢一郎氏が多数派工作を進め、日本新党を率いる細川護熙氏が首相となる非自民連立政権が誕生した。小沢氏ら自民党離党組から、社会党、公明党など幅広い勢力を糾合した政権であり、「第二保守」を目指す政権ではなかった。

2009年の衆院選では、自民党が惨敗して民主党が第一党となった。民主党を中心に福島瑞穂氏の社民党や亀井静香氏の国民新党が連立政権を組んだ。これも、自民党出身者から社民党まで幅広い勢力による連立だった。

過去の例から学べるのは、第二保守党が自民党に代わり単独で政権を担うことは困難であり、自民党に対抗できるのは保守からリベラルまで幅広い勢力を束ねていくしかないという現実だ。

もっとも、細川政権も民主党政権も、ともに内紛が絶えず、短命で終わってしまったことも、厳しい現実である。政権を奪取しても、「寄り合い所帯」であれば、安定した政権運営ができない。有権者もそうした実態を見通しているので、非自民勢力の連携には厳しい視線が注がれる。

立憲民主や希望、民進など非自民勢力は、過去の教訓と厳しい現実を学び、野党再編を進めていかなければならない。
 

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