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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第247回 続・財務省が日本を滅ぼす

 10月30日に小学館から刊行した『財務省が日本を滅ぼす』に、
 《2018年度は、診療報酬と介護報酬が同時に改定される、6年に一度の年となる。
 財務省は、もちろん診療・介護報酬の「同時引き下げ」を目論んでいる。高齢化の進展で、本来は毎年1.2兆円ずつ「増加しなければならない」社会保障支出について、財務省は2016年度から'18年度の三年間の伸びを、1.5兆円に抑制しようとしているのだ。》
 と、書いたわけだが、やはりやってきた。
 10月25日の財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)において、財務省は医療及び介護サービスの公定価格を見直す報酬改定で、いずれも減額を要求してきたのである。すなわち、診療報酬と介護報酬の同時削減だ。

 財務省が診療報酬や介護報酬の減額を求める理由は、以下になる。
 「診療報酬:デフレの影響で賃金や物価水準が上昇しない中、医師ら人件費にあたる診療報酬の本体部分は増えた」
 1997年の橋本緊縮財政で、日本経済はデフレ化。国民の実質賃金はピーク('97年)と比較し、15%も減ってしまった。デフレで他の産業の賃金水準が上がっていない時期も、診療報酬の本体部分は増え続けた。
 だから、削減。すなわち、医師や介護士に「貧乏になれ」という話だ。

 「介護報酬:'15年度の改定時に、基本報酬4.48%削減という大幅なマイナス改訂をしたが、さらに削減が必要。介護サービス全体の利益率は、中小企業の平均よりも高く、おおむね良好な経営状況である」
 需要が拡大しないデフレ下で、中小企業の利益率は落ちていき、赤字企業が増えてきた。介護産業は、'15年度の介護報酬減額で利益が一気に落ち込んだとはいえ、まだ「プラス」である。だから、さらなる減額、というわけだ。

 現在、医療サービスの現場は猛烈な人手不足に襲われている。何しろ、医師の有効求人倍率は、5倍を超えているのだ。
 しかも、地方の医療機関の医師や看護師は、途轍もないサービス残業を強いられ、何とか現場を回している有様だ。まともに残業代をもらうと、病院が倒産してしまうため、医師や介護士たちは懸命に耐えている。
 その状況で、財務省は、
 「デフレで他の産業の賃金は下がったが、医療は下がっていない」
 という、恐るべき理由で診療報酬の本体部分の削減に乗り出そうとしているのだ。そもそも、日本をデフレに叩き込んだのは、緊縮財政路線を強行しようとする財務省であるにも関わらず。
 まさに、「医療亡国」としか言いようがない。

 このままでは、我が国はおカネを払っても医療サービスを受けられなくなる。医療の供給能力が縮小していく以上、当然だ。
 あるいは、日本は、
 「お金持ちは医療を受けて助かるが、おカネがない人は医療を受けられない」
 という、アメリカ型の社会に変貌を遂げることになるだろう。

 そして、介護サービス。
 介護の有効求人倍率は3倍を超え、産業としては医療や運送、土木・建設を上回り、日本で最も人手不足が深刻化している。理由は、給料が安すぎるためだ。
 介護の平均給与は、産業平均と比較し、女性が月額▲3万円、男性が月額▲10万円と、悲惨な状況に置かれている。その状況で、財務省は「利益率が高い」などと言いがかりをつけ、介護報酬を削ろうとしているのだ。

 厚生労働省が10月26日、介護産業の利益率が激減している事実を示すレポート「経営実態調査」を発表した。同レポートによると、2016年度の介護関連企業の利益率にあたる収支差率は、全介護サービスで3.3%。介護報酬減額('15年)前の2014年度の7.8%から、大きく落ち込んでいる。
 この状況で、さらなる介護報酬削減に踏み切ると、どうなるか。
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