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iPhone 8、使って分かった「絶対買い」の根拠

iPhone 8、使って分かった「絶対買い」の根拠

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iPhone 8 シルバーと、iPhone 8 Plus ゴールド。フレームには7000シリーズのアルミニウムが用いられ、側面に合わせてガラスも縁に沿って曲面を描く(筆者撮影)

アップルは米国時間9月12日、新しい本社となるApple ParkのSteve Jobs Theaterで、新製品発表イベントを開催した。iPhone発売から10年が経った2017年モデルのiPhoneとしてまず登場するのが、9月22日発売予定のiPhone 8(7万8800円〜)とiPhone 8 Plus(8万9800円〜)だ。この2つのスマートフォンの先行レビューをお届けする。

傑作のデザイン、再び

すでにiPhoneを長年使っている人にとっては、懐かしさとともに洗練を感じることができるデザイン。そしてスマートフォンの中で最も重要なポジションを占めるようになったカメラの成熟。拡張現実から機械学習まで、あらゆる場面でその性能を発揮する新開発のA11 Bionicプロセッサーの搭載。

10年間をかけて、スマートフォンが当たり前の生活を開拓してきたアップルが、現在のスマートフォンに何が必要であるかを深く理解し、同時に将来の「スマートフォンがある生活」をどのように舵取りしていくのか。そんな意思を感じることができる1台に仕上がっている。


iPhone 8 シルバーと、iPhone 8 Plus ゴールド。フレームのカラーだけでなく、背面のガラスのカラーリングも異なることがわかる(筆者撮影)

アップルがリリースしたiPhone 8とiPhone 8 Plusは、それぞれ4.7インチ、5.5インチのRetina HDディスプレーを搭載する最新のスマートフォンだ。2014年から2016年までアルミニウムのユニボディで登場したiPhoneだったが、iPhone 8とiPhone 8 Plusではこのデザインが新たなものとなった。

フレーム部分のみに残されたアルミニウムは、航空宇宙分野で用いられる7000シリーズを用いて強度を高めている。そして背面には再び、ガラスが採用された。前面、背面ともにガラスで包まれたデザインは、「完成されたデザイン」と非常に評価が高かったiPhone 4以来となる。

しかし、iPhone 8のガラスデザインは、iPhone 4のそれとは異なっていた。質感と雰囲気がまったく違うのだ。

アルミニウムのフレームの表面は緩やかに湾曲しており、ガラスのエッジもフレームに向けてカーブを描く。iPhone 4に存在していたガラスとフレームの間のスペースは存在せず、ガラスと金属が一続きのカーブを描いている。

また、ガラスの内面の塗装にもこだわりが見られる。新たに7層のコーティングをガラスに施した。


ガラスのボディは光に溶け込み、これまでにない美しさを放つ。iPhone 4のガラスボディと比べても、塗装の進歩によって、カラーリングと透明感の両立が楽しめる(筆者撮影)

シルバーという色の名称ながら、背面は陶器のように白く、スペースグレーは深みのあるリッチな仕上がり、そしてゴールドは光によってさまざまな表情を見せる。表面の透明感と、深みのある色合いという、矛盾が同居したような表現であり、カバーをつけずに手触りと反射を楽しみたくなるほど、持っているだけで楽しめる存在となった。

そのガラスデザインを最大限に生かすかのように、背面にはAppleロゴと「iPhone」の文字のみが書かれており、認証情報などはすべてiOSの中での表示となった。これも、美しい背面デザインを楽しむことができる要素となっている。

背面がガラスに変わっても、iPhone 7で実現した防水防塵は引き続き採用している。水しぶきや思わぬ水没にも耐えることができ、砂浜のような砂や塩の粒がまう環境でも安心して使うことができる。

ワイヤレス充電はライフスタイルを変える

ガラスの背面を採用したiPhoneは、生前に発表された最後のiPhone 4Sと同じデザイン要素であることから、共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏へのトリビュートとも感じられるが、それだけが理由ではない。ガラスの背面によって、ワイヤレス充電への対応を果たしたのだ。

アップルはiPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xで、業界標準規格の1つ、Qi(チー)によるワイヤレス充電をサポートした。アップルによると、充電速度は付属の充電器と同じだとしているが、置くだけで充電することができる手軽さは、体験してみると快適だった。

筆者はiPhone 8とmophie「wireless charging base」の組み合わせで試してみた。この充電器以外でも、Androidスマートフォンを充電できるQi規格のワイヤレス充電器を持っていれば、そのまま利用することができるだろう。

充電の手順は特に説明するまでもなく、iPhoneをwireless charging baseの上に乗せるだけで、おなじみの充電開始音が鳴る。カバーを装着したままでも充電することができるため、いちいち着脱する手間がない。

自宅の枕元のテーブルの上でも、iPhoneを置く場所が決まり、ケーブルの取り回しをスッキリとさせることができるようになる。たとえば家具のグローバルチェーンIKEAはQiをサポートする電気スタンドや充電ステーションをすでに発売しており、テーブルなどにQiのワイヤレス充電を組み込むことができるキットも販売している。

加えて、米国ではマクドナルドなどのフードチェーンが、テーブルやカウンターにワイヤレス充電機能を備えるほか、一部の空港にもワイヤレス充電が普及している。

これまでのケーブルによる充電と違い、iPhoneやAndroid機種間での充電端子の違いを意識する必要がなくなる。そのため、iPhoneのワイヤレス充電のサポートは、ワイヤレス充電のエコシステムが一気に広がる可能性を秘めており、iPhone 8の発売後半年も経たないうちに、“置くだけ充電”を外出先で体験する機会が大幅に増えていくことが期待できる。

カメラの基本性能が大きく進化した


バークレーの背後の丘にあるチルデンパークの、風の強い夕暮れ。霞がかかるなかでの空と稜線の豊かな階調が楽しめる(iPhone 8にて筆者撮影)

スマートフォンの機能のうち、多くの人々が重視しているのがカメラだ。アップルによると、1年間にiPhoneで撮影される写真の枚数は1兆枚にものぼるという。iPhoneは、世界で最も人気のあるカメラになった。

そのiPhoneのカメラは、今回も大きく進化した。1200万画素と画素数は同じだが、センサーの拡大と高速化、ディープピクセルの採用により、深みのあるディテールと色味を実現する。また光学手ぶれ補正も刷新され、暗所での写真やビデオ撮影をより鮮明に行うことができる。

iPhoneでの写真撮影を試すと、すぐに気づくことがいくつもあるのだ。
まずシャッターボタンを押した瞬間、指先に感触フィードバックが返ってきて、シャッターボタンが確実に押されたことがわかるようになった。非常に小さな振動であり、写真が振動でブレてしまうことはない。そして、その感触の直後にすぐに次の写真を撮影する準備ができている。画像記録の速度が向上しており、撮った次の瞬間にはもう次の写真を撮ることができるのだ。

ただし、決定的瞬間をとらえるために連写する必要はもうない。


サンフランシスコ空港に展示されていた古いタイプライター。レトロな雰囲気と、細かい機械の構造をリアルに切り取ってくれる(iPhone 8 Plusにて筆者撮影)

iOS 11では3秒の動画とともに写真を記録する「Live Photos」が進化しており、Live Photosで撮影した後、動画部分から写真として使用する瞬間を自由に選べるようになった。

動画を含むため、保存容量が大きくなることを気にするかもしれないが、iOS 11では記録容量が半分で済むフォーマットHEIFを採用している。そのためすべての写真をLive Photosで撮影しておけば間違いない。

友人の結婚式を、iPhone 8の4K/60フレーム秒で撮影し、iPhone 8上のiMovieで編集した。滑らかで高精細な動画を楽しむ事ができる

iPhone 8では、動画撮影も大幅に強化された。独自開発の画像処理エンジンとビデオエンコーダーを内蔵し、4Kはこれまでの倍の60フレーム秒で滑らかに記録することができる。またスローモーションはフルHDで240フレーム秒の記録を実現する。このスロー撮影を長時間実現できるカメラはなかなか存在せず、iPhoneのカメラが頭1つ突き抜けたことになる。

動画記録でも新フォーマットが利用でき、4K/24フレーム秒の映画スタイルの記録なら、1分間にたった135MBの保存容量で済む。フルHD/30フレーム秒の標準画質なら60MBだ。よりコンパクトに扱うことができるビデオ撮影は、写真とビデオの共有される比率が逆転していく可能性すらあるだろう。

これまでも、iPhoneのカメラは、写真の世界でのゲームチェンジャーとなってきた。これからは、高精細なビデオ、そして拡張現実の世界で、新たなアプリケーションの登場を支え、人々がビデオやARとのより深い関わりを作り出すことになる。

iPhone 8 Plusのカメラに備わる、驚きのギミック


米国国立自然史博物館の蝶のパビリオンで、ポートレートモードにて撮影した蝶。羽根の質感も豊かに再現している(iPhone 8 Plusにて筆者撮影)

iPhone 8のカメラはセンサーや画像処理エンジンの刷新、そして光学手ぶれ補正の機能向上といった進化が見られる。iPhone 8 Plusには、引き続き、1200万画素の広角と望遠の異なるカメラが2つ備わる。撮影時、ワンタップで瞬時に切り替えることができる仕組みだ。

この2つのレンズを使って実現したのが、被写体にフォーカスして背景をぼかすことができる「ポートレートモード」、被写界深度エフェクトだ。iPhone 8 Plusではポートレートモードが進化し、「ポートレートライティング」(ベータ版)が追加された。これはポートレート撮影をする際に、5種類の異なるライティングを適用することができるエフェクトだ。


ポートレートモードも進化し、撮影時、もしくは撮影後にライティングを変更できるようになった。より印象的な写真に仕上げることができる(iPhone 8 Plusにて筆者撮影)

これまでのような自然な仕上がりが実現できる「自然光」、スタジオの照明設備を使ったような「スタジオ照明」、テレビのスタジオなどで行われている、被写体の輪郭を強調する「輪郭強調照明」、被写体のみにスポットライトが当たっているような「ステージ照明」、そしてステージ照明を白黒にした「ステージ照明(モノ)」の5種類だ。

特に驚かされるのがステージ照明。背景を真っ暗にして、被写体のみが浮かび上がる写真を、特別な設備なしで、iPhone 8 Plusだけで撮影することができるのだ。その仕上がりは、今までのスマートフォンで撮影された写真とは一線を画す、非常にエモーショナルで印象的なポートレート写真になるのだ。

iPhone 8 Plusのカメラは、すでにスマートフォンの領域を超えている。写真だけでなく、ビデオの記録にも高い性能を発揮し、またハードウェアとソフトウェアの綿密な連携によって、新しい価値を作り出し続けている。カメラだけに注目しても、iPhone 8を選択するだけの大きな動機になり、日々の生活をよりドラマティックなものに変えてくれる。

蝶を新たに対応した240fpsのスロー映像で撮影。iPhone 8 PlusのiMovieで、フルHDで書き出している

ビデオ、写真について、いくつかのサンプルを用意した。その画質やポートレートライティングのエフェクトを確かめていただきたい(https://youtu.be/ZzHep-aBFqw)。

今回のレビュー期間は非常に短かったが、サンプルとして撮影した写真は5日間で1000枚を超えてしまった。それだけ「撮っていて楽しいカメラ」かつ「創意工夫がしたくなるクリエイティブなカメラ」であることが、おわかりいただけるだろう。


米国国立航空宇宙博物館。HDR撮影は室内と屋外の双方をくっきりと描き出している(iPhone 8 Plusにて筆者撮影)

アップルはiPhone 8シリーズとともにiOS 11をリリースする。iOS 11では、高度な3Dグラフィックス処理を実現するMetal 2、拡張現実アプリを実現するAR Kit、そして機械学習処理をアプリに取り込むことができるCore MLをサポートする。

これらは、アップルが考える、これからのスマートフォンがある生活に必須となるテクノロジーであると考えており、iPhone 8では、こうしたテクノロジーを高速かつ省電力で実現することを目指して、A11 Bionicプロセッサーを搭載している。このプロセッサーは顔面認証という新たな要素が加えられたiPhone Xにも共通して採用されているものだ。


ポートレートモードで撮影した新郎新婦の二人。かなり暗い室内だったが、ポートレートライティングのスタジオ照明で、くっきりと演出することがきた(iPhone 8 Plusにて筆者撮影)

A11 Bionicプロセッサーは、効率コア4つ、パフォーマンスコア2つの6コア構成のプロセッサーで、アップルが設計した新しい3コアのグラフィックスを搭載する。特に効率コアは先代と比べ70%高速化されており、処理性能と省電力性を両立している。

アップルが力を入れるARアプリのデモを行ってみた。AR機能にはカメラ1台を使うため、iPhone 8もiPhone Xと同じAR体験を楽しむことができる。平面の認識を素早く行い、正確な距離やサイズを維持しながら、ゲームや学習などのアプリを快適に利用することができる。

たとえば、夜空に星座を投影したり、テーブルの上に3Dグラフィックスのゲームを表示させ、近づいたり離れたりしながらプレーしたり。ARアプリはこれまでにもあったが、iPhoneのソフトウェアとCPUのパフォーマンスは、これまで以上に快適な体験を実現してくれた。

iPhone 8とiPhone X、どちらを選ぶべきか

iPhone 8とiPhone 8 Plusを検討している人は、筆者も含め、同時に発表されたiPhone Xも対象に入れているだろう。iPhone Xは5.8インチの有機ELディスプレーと顔面認証のFace IDを採用した、新世代のiPhoneと位置付けられている。おそらく将来的には、iPhone Xの構成がiPhoneの新しいスタンダードになっていくことになるだろう。


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その点で言えば、ホームボタンと液晶ディスプレーを搭載するiPhoneは、これが最後の選択肢になるかもしれない。デザインやユーザーインターフェースの洗練さ、そしてiPhone Xと同等の処理性能を備えるiPhone 8とiPhone 8 Plusは、10年間のiPhoneの歩みの集大成であり、体験面でiPhone Xに劣ることはない。

よりコンパクトなスマートフォンを求めるならiPhone 8を選べば、不満に感じることは何一つない。また驚くべきポートレートモードをいち早く体験したい人は、iPhone 8 Plusで写真を撮り始めることをお勧めする。
いずれの機種も、 秋の行楽シーズンを前に、旅を彩る最適なツールとなるだろう。

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