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元ヤンキー20代当選議員「暴力団との対話も政治です」

福岡県みやこ町議会議員 橋本真助●1986年生まれ。2期目。築上北高校中退。元ヤンキーの経験を元に若者の更生を信条とし、前科者の社会復帰・起業支援を。地元の組織と対等に話ができ、トラブル発生時は警察より先に彼に仲裁依頼が。条例・法律にも精通。

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■元ヤンキー 福岡県みやこ町議会議員・橋本真助氏

あす7月10日は、参議院選挙です。

昨年6月に成立した公職選挙法改正により、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられてから初めての国政選挙となります。

一方、現在は25歳以上である被選挙権(参議院は30歳以上)を同様に引き下げるべきとの議論も始まりました。

選挙制度改革の議論は、国政を中心に考えがちですが、有権者に最も身近な存在である地方行政に大きな影響を及ぼす地方政治についても考えていく必要があるのではないでしょうか。平均年齢が60歳以上ともいわれる地方議会の高齢化は、民主主義における多様性の危機と言えるかもしれません。

そこで、各議会で最年少当選した地方議員のうち、20代で当選した「20代当選議員」に注目し、その中でも1985年以降に生まれSNSで繋がることができるデジタルネイティブ世代の議員たちへのインタビューを通して、その実態に迫ってみたいと思います。

その中には、日本の民主主義の将来や、地方政治の行く末について考えるヒントがあるかもしれません。

第1回は、20代で当選した数少ない「町議会議員」である橋本真助さんです。橋本さんは、被選挙権を得た25歳時に福岡県京都郡みやこ町の町議会議員選挙に無所属で立候補し初当選し、昨年の29歳時に再選。現在、町議会では文教委員長と基地対策委員長を務めています。昔は、地元ではその腕っぷしを知らない人はいないほど「ワル」だったという橋本さんのリアルとは……。

■「暴力団にわっと言われてもシュンとなったら負け」

――まず、なぜ選挙に立候補しようと思ったのか、その理由を教えてください。

自分が住んでいる町は福岡県でもかなりの田舎町です。豊かな自然や地元の人同士の温かい交流が残っているという良い面もあるのですが、交通の便や生活の面で若者にとっては住みにくい場所です。住みにくいのであれば、自分たちで自分たちが住みやすい場所にすればいいんじゃないかと思ったのがきっかけです。

――昔は、「ワル」だったと聞いていますが。

はい(苦笑)。自分はどちらかというと社会から外れたところで生きてきたんです。悪さも一通りしてきました。高校も中退で、会社勤めをしたことはありません。中学、高校の頃は(漫画の)『ビー・バップ(・ハイスクール)』が流行っていた時代で。あの漫画の世界そのままの生活を送っていました。暴走族のようなこともしてました。ただし、走って地元に帰ってきたときには、音がうるさくないように(ギアを)ニュートラルにしてエンジン切って。自分で言うのもなんですが、律儀な暴走族でした。ただ、成人式では、リーゼントに黄色の袴着て……。

そんなヤンチャし放題だった自分でも政治家になれるということを知ってもらって、「あんなやつでも政治家になれるんだったら自分も」と思ってもらえたら良いなと思っています。

――エリア的に少し“荒れて”いるのですか?

うちの地域の特徴だと思うんですが、暴力団に入りたがる若者が群を抜いて多く、入ってしまうと抜けようにも抜けられなくなる人も少なくないんです。警察はそうしたいわゆる「組織」の人を取り締まるのが仕事なわけですが、組織と対立した一般人がいても、一生その人の身を守ることはできません。だから、結局、人々は自分の身は自分で守らないといけないんです。

――今、橋本さんはそういう人に何か支援をしているのですか?

はい、組織を脱会したい人からよく相談を受けます。その人と自分で、組織の人と話し合いの場を持つことも少なくありません。話し合いの場は緊張します。そりゃあ、向こうの人はすごい迫力でわっと言ってきます、脱会できるはずないだろって。

でも、そこで、しゅんとなったら負けだと思って、自分が正しいと思うことや信念を伝えます。「もう一切、(この相談者の人とは)関わらないように」「そのほうがお互いのためやないか」って。組織の人からしたら、俺はかなり煙たい存在だと思います。実際、何度も呼び出されていますし、「暴力団みたいな議員がおり」なんて言われて(苦笑)。

■「暴力団も話せばわかる。同じ子どもを持つ親だから」

――暴力団と対話しているんですね?

暴力団をなくすためには、そういう人たちと向き合って話をしないと絶対なくならないと思うんですよ。相手も人間ですし、同じ子どもを持つ親として、きちんと話をすれば分かり合えると信じています。

――それも町議の仕事の一環なんですか?

議員である俺に対する相談でほかに多いのは、刑務所から出てきて、そのまま組織を抜けようといる人物が、「生活保護をもらえるようにしてほしい」とか、「公営の住宅に住めるようにしてほしい」とかいった類のものです。

その際、俺はこう応えます。事情はわかりました。でも、一度道を外したのは事実だから、(組織から足を洗い)皆と同じような生活にしたいなら、また社会に自分を認めてほしいなら、考えて行動しないといけない。一緒に考えましょう、と。俺の経営している会社(自動車販売業)で一時的に働いてもらったり、起業を支援したりして社会復帰を促しています。ふだんは、警察関連の方々と連携しながら、組織と対話をしています。俺はこれも政治の役割やと思ってるんですよ。

――暴力団は地域にとってどんな存在なのでしょうか?

昔は、(彼らが店舗などから)みかじめ料を取ったり、人に仕事を斡旋してやったり、といったこと横行していましたが、もはやそういうことが許される時代じゃないですし、(近年は警察などによる)締め付けがどんどん厳しくなりますから、弱体化は免れません。

――それは、町議としては歓迎できることですよね?

はい、一面では。でも、若い人たちのある意味の受け皿が暴力団でがなくなってきて、ギャングのようなものに移る傾向が出てきました。つまり、制御できない若者が増えているんですね。ほとんど無法地帯のような感じになってしまっている。

――暴力団のほうがむしろ対処しやすい?

俺は、そういう有り余った力を町のためとか人のために使う方法があるんじゃないかって思うんです。政治に興味を持ってもらったりとか、教育やスポーツに活かしたりするような感じで。自分の同級生たちとかは、見た目はみんな自分みたいな感じなんですが、母校の部活動のコーチに行かせたりしています。それが、恩返しになるんだよって。

■「ギャングになる若者にも政治に興味を持ってほしい」

――元ワルが地域貢献するような環境づくりをしているんですか?

地元の人たちからしたら、あんだけ悪さしていたのに、子どもたちのために活動してくれている。だから、よろこんでもらっています。そうした草の根の活動が評価されている俺を見て、近所の人からは「あいつが選挙上がる(当選する)んやけえ、絶対俺らも上がりよる(当選できる)」と言って出馬しようかって思う人も増えているようですから、いいきっかけになったと思っています。

――元ワルの「敗者復活戦」の道筋を橋本さん本人が実践して見せているんですね。見た目とは裏腹にとても真面目な一面が垣間見えました。後編では橋本さんの選挙の様子を中心に迫ってみたいと思います。

 

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